世界の名画 ~素晴らしき美術紀行~

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ストーリー

北フランス 追憶と惜別の旅路
顔のない人物画 モネ「日傘の女」

世界の名画 ~素晴らしき美術紀行~

印象派の絵画が数多く所蔵されているフランス・パリのオルセー美術館。ここに印象派の巨匠クロード・モネの傑作「日傘の女」が展示されています。人物画をあまり描かないことで知られるモネ。その稀少な作品です。柔らかな日差しと風に包まれた草原で、流行の衣装を身にまとった女性。モデルとしてイメージしたのは、絵を描く7年前に亡くなった妻のカミーユと言われています。しかし愛する妻の筈なのに、この絵の女性の顔には、何故か表情がありません。この作品を発表する11年前、モネは、同じカミーユをモデルにし「散歩、日傘をさす女」を描いています。「日傘の女」と同じ柔らかな日差しと風に包まれ、愛する息子との幸せそうな姿。こちらの絵では、女性の表情は、しっかりと描かれています。さらに、足元にくっきりあった影もなくなっているのです。描けなかったのか? それとも描きたくなかったのか?謎と真実を探るべく、モネが暮らした創作の舞台を訪ねます。パリから、北フランスのノルマンディーまで列車の旅。モネが活躍したこの時代は、ちょうど産業革命の時代。ヨーロッパでは、鉄道網の整備が進み機関車が走り始め、画家たちの活動範囲も広がっていきました。30代のモネが家族と暮らしたアルジャントゥイユ。あの代表作「印象、日の出」は、この時代に誕生したのです。 パリ北西部の小さな町、ヴェトゥイユ。ここでモネは、「死の床のカミーユ」を描き、病により死を迎えた妻を永遠の記憶に残します。モネが終の棲家としたジヴェルニーで、後半生に打ち込んだのは、連作として有名な「睡蓮」。古の都ルーアンでは、今も残る「ルーアン大聖堂」を描写しました。それぞれの町で残した名画の数々。モネの創作への想いに迫ります。そして、旅は、カミーユと新婚旅行に出掛けた思い出の地、北フランスのトゥルービルへ・・・。モネが、その生涯をかけて描いた作品を通し、美しくも切ない物語を紹介します。