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ストーリー

発見!世界大航海 歴史を変えた男たち
5 史上初!海底レスキュー隊

沈んだ潜水艦から初めて船員を救助して、海の歴史を塗り変えたマムセン。48時間以内に救出しなければ59名の命が犠牲になるという状況の中、まだテストの済んでいなかったチャールズ・モンセン発明のレスキューチャンバーが海底を目指す。
偉大なる冒険家たちの足跡を追いながら、歴史に埋もれた伝説の裏側を解き明かしていくシリーズ。第5話である今回は、モンセンの発明の数々と、それにまつわる奮闘記、緊迫したスクアラス号救出劇、そしてその時に救出された実在の人物が語る当時の体験話を紹介する。

1939年5月23日、米国海軍の最新式潜水艦スクアラス号は、致命的な機械不良が原因で、船尾の数区画が浸水していた。北大西洋の海底に沈みゆく運命の潜水艦から乗組員を助け出そうという前代未聞の救出劇がこうして始まった。
沈みゆく潜水艦の中で59名の乗組員のうち33名が生存していたが、バッテリー室から有毒ガスが発生し、空気は薄くなっていく艦内に閉じ込められているため、救出は急を要した。米国海軍潜水艦スカルピン号の見張りが遭難信号を確認し、天才的なひらめきを持つチャールズ・モンセンの指揮の下、劇的な救出作業はここから始まった。
モンセンはレスキューチャンバーで乗組員たちを救出することを決意。しかしこのレスキューチャンバー、数年越しの官僚形式的な争いの末、ようやく開発されたばかりで、まだテストが済んでいないという心配があった。チャンバーでの救出という初めての試みだ。神経が張り詰める中、初回は7人が無事に引き上げられた。2回目、3回目と多くの乗組員たちを救出し、作業は問題なく進んでいるかに見えたが、気づかないところでウィンチのケーブルが擦り切れそうになっていた。モンセンたちがウィンチで最後の引き上げをしているとき、チャンバーは途中で止まってしまう。リールが故障したのだ。
このままではケーブルの束が擦り切れてしまう状態になることをモンセンは知る。別のケーブルをつなぐことも不可能だったため、チャンバーが自然に浮き上がっていくことにかけるしかない。しかも急激な浮上をコントロールできないということは、中の人間が死ぬことを意味していた。だが、スクアルス号が沈んでから39時間後には、33人が無事に救出された。
ポール・ローズは、スクアラス号から生還した33名中の1人、カール・ブライソンに会う。ブライソンは最後の回のチャンバーに乗っていたうちの1人で、最後の生き残りだ。そしてポールは、救出した側のメンバーの1人、こちらも最後の生き残りとなった103歳の人物にインタビューする。
スクアラス号の救出劇は、海の世界に対する我々の見方を変えた。海底でも人命救助が可能なことを初めて証明した。今日では、潜水艦の緊急事態にすばやく対応できるよう、世界中で深海救助艇が待機している。