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発見!世界大航海 歴史を変えた男たち
4 地球を測った男たち
偉大なる冒険家たちの足跡を追いながら、歴史に埋もれた伝説の裏側を解き明かしていくシリーズ第4話では、特定の人物ではなく、素人の科学者集団にスポットライトをあてる。
1735年フランスの探検隊がエクアドルに向けて出航するが、この任地に到着するまでに次々と事件が起こる。使い込み、仲間割れ、資金難、高山病、マラリア病による死…。任地に着いた後も、地元の民から女性問題で恨みを買い殺人まで起こる始末。
しかしそんな波乱万丈の旅から、マラリアの特効薬やゴムを発見したり、メートル法を考案したり、ニュートンの説を証明したりと素晴らしい偉業が生まれる。こうした華々しい成果にもかかわらず凱旋帰国を果たせなかったという少し奇妙な探検物語をお届けする。
信じがたい話だが、不運に見舞われ続け大失敗といえるような18世紀の探検が、現代生活のあらゆる場面に影響を及ぼしている。この探検は、欲望と不義と失望の物語。
1735年、フランスの探検隊が、地球の形を調べるために、エクアドルに向けて出航した。探検隊のメンバーは知識人ばかりだが、外国経験に乏しかった上、自分たちに何が起ころうとしていたのかも分かっていなかった。しかし最後に彼らはこの探検で、赤道付近の地球のふくらみを測定し、前例がないほど正確な地図や位置測定を可能にし、そしてゴムやマラリアの治療剤であるキニーネも発見したのだった。
この探検は測定開始前から、メンバーが病気にかかったり、恋愛沙汰で足止めを食ったり、そして口論から仲間割れをしたりとさまざまな問題に見舞われた。まずペルーへ行くだけで半年も要した。
地学者でメンバー中一番若く気性の激しいジャン・ゴダンは、カリブ海で停泊中、地元の女性と恋に落ち、探検費用をかなり使い込んでしまう。ようやくエクアドル本土に到着すると、メンバー同士の口論から仲間割れとなり、首都キトまでの道を別々に進む。
その道程、シャルル=マリー・ド・ラ・コンダミーヌはジャングルで迷ってしまうが、そのときゴムを発見し産業の可能性に気づく。そして幸運なことにラ・コンダミーヌは、その樹皮からマラリアの特効薬・キニーネを後に発見することになる。彼はさらにひらめき、後にメートル法の基礎となる新しい測定基準となるシステムを考えついた。
探検開始から1年ほど経過した頃には、地球の正確な形を割り出すことが可能な計測ができるようになっていた。しかし、彼らの目の前には仕事が山積みだった。空気の薄い高山で、焼けるような暑さや厳しい雪嵐を戦いながらの計測だ。また計測機器を地元民に盗まれたり、ガイドに置き去りにされたりという受難にも遭遇する。山頂では計測可能な天気に恵まれるまで1ヵ月も待たなければならないこともあった。そしてあるときには、女性問題で誤解が生じ、探検隊の医師が殺されてしまう出来事もあった。
とにもかくにも、彼らは8年の苦労の末、計測を完成させた。地球は赤道付近が膨れているというニュートンの説を確認し、彼らの任務は成功に終わったのだった。