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キャプテン・クックに挑戦!新エンデバー号の大航海
3 脱出 クックズパッセージ~ヨーク岬
キャプテン・クックのエンデバー号を復元し、18世紀の航海を再現する6回シリーズの第3夜。今回の航路はクックズパッセージから、ヨーク岬まで。
現代のエンデバー号乗組員1名の容態が悪化して下船することになる。クックの時代、乗組員の3分の1は航海の間に死亡した。ようやく暗礁の迷路から脱出したクックであったが、探検という自分に与えられた使命を全うするため、あえてまた暗礁の内側のオーストラリア東岸へと引き返す決断を下す。クックが、当時のヨーロッパ植民地支配に果たした役割が解説される。
エンデバー号はいよいよ最先端のヨーク岬へ。ニューギニアとオーストラリア東岸が陸続きかどうかは、当時未知の事柄であった。クックは近くの島に登り、そこが大陸最先端であり、ニューギニアとの間に海が広がっている事実を確認し、イギリス領有を宣言した。
現代のエンデバー号の乗組員1名の容態が悪化して下船することになる。クックの時代、乗組員の3分の1が、船上での怪我、溺死、ビタミンCの不足で起こる壊血病、赤痢、性病などのため航海の間に死亡した。現代では、無線でフライング・ドクターを呼び、ヘリコプターで患者を運んでもらえば事なきを得るが、18世紀にはその術もない。ようやく暗礁の迷路から脱出したクックであったが、与えられた使命を全うするため、あえて暗礁の内側のオーストラリア東岸へと引き返す決断を下す。クックの使命は探検と地図の作製だけではなく、大英帝国の植民地となる陸地を探すことであった。
一方、21世紀のエンデバー号では、クックらが食べたであろう料理を再現したり、珍しい植物の採取やスケッチをしたりと、航海の再現に余念がない。
クックの時代、太平洋は最後に残された秘境として、ヨーロッパ人の想像力をかき立てていた。そのため、出版されたクックの航海日誌は売れに売れ、マリー・アントワネットやカサノヴァら著名人が競って読むほどだった。しかしクックが英雄視されたのは、探検だけが理由ではなかった。衰退の影がさす大英帝国は、国の威信を代表する英雄を必要としていたのだ。かくしてクックは、比類なき海の英雄・ネルソン提督が現れるまで、偶像として祭り上げられることになる。
クックのエンデバー号はオーストラリア東岸に沿って北上を続け、大陸最北端のヨーク岬までたどり着く。当時、ニューギニアとオーストラリア東岸は陸続きではないかと考えられており、実際に確かめた者はだれもいなかった。クックは近くの島に登り、そこがオーストラリアの最先端であり、ニューギニアとの間に海が広がっていることを確認した。そして、先住民族アボリジニーに悲惨な未来をもたらすことになる大英帝国の領有を宣言するのだった。