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ストーリー

素晴らしい列車の旅:スペイン 父の祖国で

著名な俳優・作家・タレントなどがガイド役となって世界各地を列車で旅する「素晴らしい列車の旅」。
パック旅行では見えてこないその国の素顔や現地の人々との触れ合いが見どころ。BBCらしい社会的・歴史的視点も盛り込まれ、単なる旅番組にはない魅力がある。

イギリスの若手政治家マイケル・ポルティーヨが父の祖国スペインを列車で旅する。今回の旅は父の思い出をたどり、一族の絆を再確認する旅になった。出発点はグラナダのアルハンブラ宮殿。旅の道すがらマイケルは家族の歴史を少しずつ語ってゆく。その歴史はスペインの近代史そのものである。彼の父は、スペイン内乱で共和国政府側を支持したが、他の兄弟はフランコ側に回り、家族が武器を手に戦うことになったという。フランコ勝利後、彼の父はイギリスに亡命した。
マイケルは高速列車AVEでマドリードへ向かい、叔父一家と賑やかに昼食をとる。もはや何のわだかまりも残っていなかった。そして彼は父の生まれた村マドリガルを訪ね、感傷に浸る。
最後に向かったのが、父がこよなく愛した古い大学都市サラマンカ。スペインへの帰国が許された後、マイケルの父はこの街に住んだ。父は晩年、痴呆の症状が出て、ソネットを口ずさみながら街をさまようようになった。今自分はイギリスの保守党政治家として父とは反対の人生を歩み、ふと父の人生を振り返るとむなしさを感じざるを得ないという。