BBC地球伝説

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ストーリー

NASA・宇宙への挑戦
Episode4 宇宙の未来

1958年7月、宇宙探索と科学発見の未来を切り開く組織として政府によって創設されたアメリカ航空宇宙局、NASAの歴史と、これまでの宇宙への挑戦を、全4回で紹介するシリーズ。最終回は、過去の宇宙飛行から学んだ知識を紹介すると同時に、NASAの未来像を見つめる。
月面着陸を果たした人類にとって、現在、宇宙は実用の時代へと入りつつある。宇宙開発で、かつてはライバルであった国々がパートナーとして協力しあう新たな時代。国際宇宙ステーションでは日本やカナダ、ヨーロッパなど、アメリカ以外の国の宇宙飛行士たちが共に活躍している。
一方、NASAにおける最大の資産ともいえる、ハッブル宇宙望遠鏡によって明らかにされる宇宙の謎。宇宙の未来を支えているのは、いつの時代も技術者たちの努力と宇宙飛行士たちの勇気ある活動だった。

月面着陸を果たした人類は、もっと地球から離れた宇宙空間の探検や、地球以外の星で生きる可能性を模索するようになった。そのため、NASAは初の宇宙ステーション、スカイラブの建設に着手。アポロ計画で開発したロケットを流用して、宇宙ステーションを軌道上に打ち上げることに成功する。しかし、順調そうに見えた計画は、太陽電池に破片がはさまって展開できなくなるという問題に直面。NASAは宇宙飛行士たちによる船外活動によって、故障した個所を修理して問題を克服した。
一方で、NASA最大の資産ともいえる、宇宙空間に設置したハッブル宇宙望遠鏡も、その製造段階の初歩的なミスにより問題を抱えていた。当初15年に1度修理する計画だったが、NASAはスペースシャトルの計画を変更して、宇宙飛行士たちによる修理を決断する。宇宙飛行士たちは400時間にもおよぶ修理に関する訓練を受けた後、軌道上の精密機械の修理という人類が初めて行うミッションに向けて宇宙へ旅立った。軌道上のハッブルを捕らえたシャトルから、宇宙飛行士たちの手によってレンズの交換が行われ、またしても彼らの努力と勇気によって問題を解決した。
いつの時代も問題を解決するのは人間、地上の技術者と宇宙飛行士たちだった。NASAは、国際協力を得て国際宇宙ステーションを建設するも、2度目のスペースシャトルの事故という苦境に立たされる。しかし、宇宙開発の歴史がそうであったように、人類はどのような苦難も克服し、常に未来を見据えて発展しつづける道を歩み続ける。そしてNASAは次なる目標、火星への有人飛行の検討を始めている。