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ストーリー

ヨーロッパ~時空を越える驚異の大陸~
3 人類と拡大する文明

1万年前に氷河期が終わった後、驚くべき速さで繁栄した人類。8000年前には農業が始まり、4000年前には青銅を加工する技術が発達、人類はヨーロッパ中の森林を伐採するようになる。そして、ローマ帝国の誕生。ローマ帝国の繁栄は、何世紀も続いた。18世紀後半には産業革命が始まり、人類は、かつてないほど大量に森林を伐採した。すさまじい勢いで文明を発展させ、ヨーロッパの姿を変えていく人類の歴史に迫る。

今からおよそ1万年前、氷河期が終わり、気候が穏やかになったヨーロッパ大陸は、一面森で覆い尽くされ、生命に満ち溢れていた。そのころ人類は、森で狩りをして食料を得ていた。
しかし、およそ8000年前、ヨーロッパ大陸の南西部で、新しい生活様式が始まる。ヨーロッパの東からやってきた人々が、地中海沿岸で農業を始めたのである。農業は瞬く間にヨーロッパ中に広がり、人類は畑や牧草地を作るために次々と森林を伐採していった。さらに、4000年前には銅や青銅を加工する技術が発達し、金属を加工するときの燃料となる木材を得るため、人類は大量に森林を伐採する。
そして、ヨーロッパ大陸の各地に埋蔵されている金属を、すべて手にしたいという欲望が、一つの強大な国を生み出した。それがローマ帝国である。ローマ帝国はヨーロッパ大陸全体に道路を張り巡らせ、帝国の思想と文化は、その道路を通じてヨーロッパの隅々にまで伝えられた。何世紀にもわたって繁栄したローマ帝国は、その後、徐々に衰退し、滅亡する。
11世紀に入ると、ローマ・カトリック教会が大々的な修道院の建設を始めた。修道士たちは広大な森林を切り開き、次々と修道院を建設する。そして、森林を伐採した後に、大きな町が造られた。その後、人類は、度重なる不幸に見舞われることとなる。14世紀には、伝染病・ペストがヨーロッパ全体で流行し、多くの犠牲者を出した。さらに、19世紀には、ジャガイモを腐らせるジャガイモ疫病菌がアイルランドからヨーロッパ中に広まり、ヨーロッパ史上、最悪の大飢饉を引き起こした。しかし、人類はその度に災難を乗り越え、文明を発展させ、町を拡大してきたのである。
そんな中、イギリスでは、世界中に大きな影響を与えることとなる、あることが始まっていた。産業革命である。蒸気機関が発明されて一度に大量の製品を生産することができるようになり、次々と工場が建てられた。19世紀後半には、工場の煙がヨーロッパ大陸全体を覆った。
すさまじい勢いで発展し、次々と新しい文明を生み出してヨーロッパの姿を変えていった人類。その劇的な歴史に迫る。