BBC地球伝説
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「アッテンボローの地球は今…
最終回 生命の未来」
地球の未来が危ぶまれる現在、デイビッド・アッテンボローが自然破壊の実態を検証し、解決の糸口を探る。21世紀、地球で暮らす生命の未来は、人間社会がどのようにこの問題に取り組むかにかかっている。番組は、開発途上国と先進国がそれぞれ抱えている問題点を指摘する一方で、人間の暮らしと生態系をともに守ることのできる活動を世界各地から紹介し、解決策を探っていく。
現在世界の人口は60億人を突破、22世紀には110億人まで増加すると予想される。そして増大する人類が現在と同じペースで自然を破壊し続ければ、地球上の全生物種の50パーセント以上が一気に絶滅していく「大規模な種の絶滅の時代」を100年以内に迎えるだろうといわれている。つまり、地球上の生命の未来は、人類がどのようにこの自然破壊の問題に取り組むかにかかっているということになる。
生物の多様性が損なわれ、環境全体がむしばまれつつある原因の主なものは、森林伐採などによる生物の生息地の破壊、外来種の持ち込みによる各地の固有種の絶滅、密猟や乱獲といった人類の過剰採取、地球温暖化に象徴される環境汚染である。アッテンボローはこれらの問題に対して、人間の生活と生態系の保護とをうまく両立させた活動を紹介していく。人類が永久持続的に自然の恩恵を得られるように自然環境を維持し、そこに経済効果を見出すという考えである。例えば、アフリカの一部の地域では、保護区やさらにそれを国際的に統合した「国際公園」の建設により、自然保護と観光業による経済効果をもたらす一石二鳥のプロジェクトが進行中である。また、過剰採取の問題も、生息地の環境を保護し生物の個体数をうまくコントロールすることで人間の利益を損なわず解決できるとして、その実例を挙げる。
地球の未来は、人類の未来でもある。アッテンボローは最後に、将来のことを考えず、天然資源を使い果たして滅んでいったイースター島の歴史をふりかえる。これを教訓にして後世に豊かで住みやすい地球を残すか、荒廃した不毛のものにしてしまうかは、今生きる私たちの肩にかかっていると、未来への責任を訴える。