BBC地球伝説

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ストーリー

「アニマル・カメラ 最新テクノロジーが動物たちに迫る
海の動物たち」

最新技術を使って動物の行動を分析し、謎を解明していくシリーズ。最終回は、主に海の生物にスポットを当てる。触覚を頼りに魚の居所を突き止めるアザラシや、海岸で一休みして空気を体内に取り入れるサメなど、知られざる習性が明らかになる。そして、このシリーズを通して観察されてきた生物の持つ驚くべき生態が、テクノロジーの発展と深いつながりを持っていることが見えてくる。 例えば、砂に隠れている魚を見つけることができるイルカの能力が、水中の音で形を捉えることのできる音響カメラなどに応用されていることや、ナメクジの持つ情報伝達能力がコンピューターの開発に新しい視点を与えていることなど、高度な技術によって分析された動物の生態が、さらなる技術開発のためのヒントを生み出している。まだまだ謎に包まれた自然界と、それを明らかにしていくテクノロジーとのつながりが伝わってくる。

番組の前半では、アメリカのフロリダ半島沖にある海中実験室・アクエリアスを紹介するほか、アザラシやサメの生態などを明らかにする。アクエリアスは、さんご礁の生態を観察するために作られた最新設備。新たな発見が次々ともたらされているという海中実験室から、まるでSFの世界のような海底の景色が楽しめる。またアザラシの生態も、最新テクノロジーで研究が進められている。アザラシはいったいどうやって暗闇で餌を取るのか、レーザーを使った実験で見事にこの謎が解き明かされる。さらに、マイクロチップ技術を利用して、南アフリカに生息する鳥・ケープシロカツオドリの行動も観察され、鳥たちの水中での行動が詳細にわたって把握できたのだ。 そして後半では、鳩がどのように自分の小屋に帰るのかを追跡しながら、技術の進歩によって明らかにされる身近な動物の生態に迫っていく。鳩は、どうやって巣箱へと帰るのか、それを調べるためにGPS全地球位置把握システムが使われる。この装置で、鳩の居場所が手に取るように分かるのだ。 このような技術が動物たちの生態を明らかにすると同時に、解き明かされた動物たちの生態が、さらなる技術の進歩へとつながっていることも分かってくる。例えば、ナメクジが残す粘液が、他の生物への情報伝達手段であることが解明されたことにより、次世代コンピューターの開発に新たな視点が与えられた。自然界の謎を解くことが、さらなる科学の進歩を可能にしているのだ。番組を通して高度なテクノロジーによって明らかになる、より複雑で緻密な自然界の姿が見えてくるであろう。