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ワイルド・ウェザー 体感!
地球の気象 雨
ドナル・マッキンタイヤーが世界の様々な気象を体感するシリーズ。今夜のテーマは「雨」。雨、つまり水の行方を追って、ドナルが世界各地に足を運ぶ。
鍵は「海のベルトコンベア」と呼ばれる地球規模の海流。この海流が、地球上の水を循環させ、モンスーンやハリケーンをはじめ、様々な気象を世界各地にもたらす。洪水や泥流、土砂崩れ、竜巻、鉄砲水、高潮など、水は恐ろしい災害を生む。
水は人間にとって脅威でしかないのか―――。ノルウェーのベルゲンの雨、インドのモンスーン、テキサスの人工雨。世界各地で様々な雨に打たれ、ドナルは何を思うのだろうか…?
今回もドナル・マッキンタイヤーが、雨、つまり水の行方を追って、世界各地に足を運ぶ。
地球上には常に一定量の水が存在している。空から降り注ぐ雨は、やがて川へと流れ込み、川は海へと注ぎ、海流は地球を巡る。途中、蒸発した水分は大気中の水蒸気となり、それがやがて雲となり、雨を降らす。この壮大なサイクルが、地球誕生以来延々と繰り返され、現在に至っているのである。
ドナルはまず、3日に2日は雨というノルウェーのベルゲンを訪れる。ベルゲンの雨は北海へと注ぎ、海のベルトコンベアと呼ばれる地球規模の大きな海流に合流する。海のベルトコンベアに運ばれた水は、モンスーンの雨となってインドの大地と人々を潤す。その雨は川へ流れこみ、海へ帰る。そして大西洋へと戻り、アメリカのテキサス上空に浮かぶ雲となる。大して雨を生まないこの雲から、人工的に雨を生むテクノロジーに迫る。
一方テキサスの南、カリブ海沿岸の国ホンジュラスは、1998年、超巨大ハリケーン「ミッチ」によって未曾有の被害を受けた。ハリケーンの落とす大量の雨はメキシコ湾へと注ぎ、それはやがてメキシコ湾流となる。メキシコ湾流の影響で、ヨーロッパは温暖な気候に恵まれているのである。とはいえ、気象災害と無縁ではない。油断大敵。スピードを得た莫大な量の水は、人間のかなう相手ではない。それを身をもって証明するため、ドナルはダムの放水口から放たれる「人工鉄砲水」に身一つ(と命綱とヘルメット)で立ち向かう。
また、海も恐ろしい力を秘めている。1953年イギリスのノーフォーク州ハンスタントンは、高波によって大きな被害を受けた。当時救助活動に当たった関係者が、当時を振り返る。
水のもたらす気象災害は極めて深刻だ。しかし、水があるから、人間は生きていけるのだという、基本的なことに、私たちは気づくべきなのである。