BBC地球伝説
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ワイルド・ウェザー 体感!
地球の気象 風
ドナル・マッキンタイヤーが世界の様々な気象を体感し、リポートを行うシリーズ。今夜のテーマは「風」。風はどこでどのようにして生まれるのか。風は吹きぬけた後、どこへ行くのか。その謎を解くべく、ドナル・マッキンタイヤーが世界中を駆け巡る。
地球上のすべての風は、赤道上の無風地帯で生まれ、南北の極へと向かって流れていく。その間に、様々な条件が重なり合うと、台風、竜巻、嵐などに姿を変える。
そういった風の持つ力を確かめるため、ドナルは実験施設に足を運び台風級の風を自ら体感。命綱をつけてのリポートは、風の持つ力をリアルに伝える。
巨大な台風、竜巻、嵐に遭った人々の体験談や、CGを駆使した映像が、風の発生から終焉までのプロセスと、風の威力をわかりやすく、科学的に解説する。時には、何千キロも離れた場所で吹いている風が、今いる場所の天気を変えることもある。風は、世界各地をつないでいるのだ。
ドナル・マッキンタイヤーが、風の発生の仕組みや、威力を確かめるため、世界中を駆け巡る。
まず、ドナルはジェット機に乗り雲の上へ。そこには、それ以上高度をあげると気候の変化がなくなる対流圏界面という空気の層がある。赤道にまたがる無風地帯の気温があがると上昇気流が発生する。その上昇気流が対流圏界面に当たると、南北に分かれて地上に下りて、風になるのだ。これを更に2回繰り返すことで、地球は6つの風の塊に覆われる。
速度をあげ、威力を増した風が人を襲うこともある。1992年、フロリダ州デイド郡にハリケーン「アンドリュー」が上陸。アンドリューの直撃を受けた町には瓦礫の山が残った。
そんなハリケーンよりも速く、強いのが竜巻だ。巨大な竜巻の威力は、核爆弾の衝撃波にも相当する。しかし、風の塊の境界線に出来る「ジェット気流」はもっと速い。第2次世界大戦中に日本軍が発見したこの気流は、上空で日常的に吹いている。ブライアン・ジョーンズとバートランド・ピカールは、ジェット気流に乗ることにより、前人未到の気球による無着陸世界一周の記録を打ち立てた。
風は嵐を作り出すこともある。1979年に、アイルランド沖で行われていたヨットレースを襲った嵐は、多くの命を奪った。この時、父親を失ったレース参加者が、当時の様子を語る。
ドナルは、ハリケーンやジェット気流の威力を確かめようと実験施設を訪れ、人工的に再現した、それらと同じ速度の風の中に身を投じる。ドナルの運命やいかに…?
ドナルが最後に紹介するのは、太陽系で最速の風、太陽風。太陽風は大気中のガスと反応し、オーロラを作り出す。
風を追って、赤道を出発したドナルの旅は北極で終わる。地球の南北両極へたどり着いた風は、再び赤道に向かって吹いていく。やがてその風が赤道で上昇気流となって空に向かう時、新たな旅が始める。