BBC地球伝説

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ストーリー

驚くべき動物たち
クマ・キツネ -生きのびる力

ほかの動物が生きていけないような厳しい環境でも、確実に食料を手に入れ、たくましく生きのびるクマやキツネ。その驚くべき身体能力と知恵に迫る。
クマは栄養豊富な食料を見つけ出し、確実に手に入れられるよう進化を遂げた。インドの熱帯雨林に生息するナマケグマは、固い土を掘り返し、タンパク質たっぷりのシロアリを食べるために、8センチもの長い爪を持っている。しかも、ほかのクマに比べて前歯が2本少なく、その隙間から効率よくアリを吸いあげることができる。南米アンデスに住むメガネグマは、糖分の多い木の実を手に入れるために、前足の骨を進化させた。これによって15メートルもの高い所へ登れるのだ。ボルネオに住むマレーグマは体の毛が硬いため、ハチの攻撃をものともせず、25センチもある長い舌を使って、栄養価の高いハチミツや、さらには巣の奥にいるハチの幼虫までも食べることができる。北アメリカに生息するハイイログマは8月になると高さ3000メートルもの山に登り、岩陰に隠れるガを探し出し、一日に40000羽も食べてタンパク質と脂肪を蓄える。そして、川では大量のサケの卵などの脂肪分の多い部分だけを口にする。こうして十分に蓄積されたエネルギーによって、冬眠中の体温を保つという。クマのなかでも一番厳しい環境に生きるホッキョクグマ。その鼻は、30キロ先の獲物をも捕らえることができる。そして、エサの少ない夏場には、エネルギーの消費を抑えるため、冬眠中と同じ体の仕組みになるという。
キツネは周りの環境の変化に適応する能力がとても高く、季節ごとに栄養を確保する知恵を持っている。目の明かりをとらえる細胞が多く、昼だけではなく夜も狩りをする。光に敏感な彼らの瞳には、明るいところでは強い刺激から守るための機能も備わっている。しかも、昼間でも獲物を捕まえられるよう、どんな色でも識別することができる。さらにキツネにはほかにも驚きの能力がある。獲物の位置をより正確に捉えるため、彼らは地球の発する磁力を感じ取っているというのだ。
近年の研究で明らかになった新たな事実とともに、世界各地のクマとキツネの知られざる生態を追う。