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古代文明のルーツを求めて 2 鉄器の時代
私たち人類の文明はどのようにして誕生したのか――この壮大なテーマを探るため、約6000年前に最初の都市が生まれたメソポタミアから、 ローマ帝国の崩壊にいたる歴史を6章のストーリーで検証するシリーズ。考古学者であり歴史家のリチャード・マイルスが、イラク、シリア、 トルコ、北アフリカ、エジプト、パキスタンそしてヨーロッパを訪れ、古代文明の成立の過程を膨大な映像と工芸品を併せひも解いてゆく。 古代の驚異と失われた世界が、現代の文明の紛れもないルーツであることが分かる。
第2回は偉大な青銅器時代の崩壊を通して、勝者と敗者、そして生き残った者たちを見つめる。青銅器時代の崩壊は約3000年前に起こった 文明の大変動であり、確立した技術であったにもかかわらず消滅してしまう。それはなぜなのか。そしてそれに代わって登場する鉄の時代。 古代文明はやがて現代に通じる技術力を兼ね備えてゆくが…。
現在のシリア・アラブ共和国西部にあった古代都市ウガリット。ここは紀元前1450年代から紀元前1200年代に国際的に発展した都市であり、 文化・政治的に重要な役割を果たした。ヒッタイト帝国の属国と伝えられている都市でもあるこのウガリットが、海からの侵入者によって破壊された 紀元前1200年ころは、青銅器時代の末期でもあった。
青銅器時代は石を利用した石器時代に代わり青銅を使った時代の文化であり、農業生産の向上や軍事的に優位な立場を得る大きな要素であった。 そして青銅に代わり登場した鉄器文化。当時、鉄器を独占的に抱えていたヒッタイトが崩壊したことで製鉄技術は各地に広がり、さまざまな技術革新が開花した。 手工業をはじめ農産業、かんがい技術の発達などに大きな影響をもたらした。しかし、その一方で鉄器は武器の改良を飛躍的に進めることにもなったのである。 戦いの歴史が大きく変化したのであった。