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ストーリー

イギリス・華麗なる芸術の旅 6 帝国の時代

イギリスの歴史を7つの時代に区分し、文書による記録ではなく、残された工芸品やアート作品を手掛かりに、ひも解いていくシリーズ。案内役を務めるのは、イギリスBBCのコメンテーターとして知られるデビッド・ディンブルビー。
第6話「帝国の時代」では、イギリスが世界中に植民地を広げる中、イギリス人がそれをどのように受け止めたか、そして先住民や現地の人々はどのような反応を示したかに焦点を当て、「大英帝国」を振り返る。デビッドは、イギリス国内だけでなく、アメリカのペンシルベニア州や、インドのカルカッタも訪れる。

デビッドはまず、ロンドンのホワイトホールにある英国外務省を訪ねる。ここには、東洋からの富を受け取ると言われる「ブリタニア像」の絵がある。当時の大英帝国を象徴する絵だ。
次に訪れたのは、ジョージ3世とシャーロット王妃が子供たちを育てたキュー宮殿。そこには、子供たちが遊んだ世界地図のジグゾーパズルがある。
大英帝国の時代、植民地支配のため海を渡ったクックは、航海に多くの科学者や植物学者、画家を連れて行った。デビッドはグリニッジにある国立海軍博物館を訪ね、航海に同行した画家ウィリアム・ホッジズが描いたレゾリューション号の絵を鑑賞する。
次にデビッドは、アメリカ ペンシルベニア州フィラデルフィアに向かう。この地を植民地として譲り渡された、イギリス人クエーカー教徒のウィリアム・ペンは、フィラデルフィアで融和社会を築こうとした。これは先住民の犠牲の上に成り立っていたが、植民者たちは先住民を征服したのではなく、対等な取引が成立したと思い込みたかった。それが顕著に現れているのが、ペンシルベニア美術アカデミー所蔵のベンジャミン・ウェストの絵である。そして、アメリカがイギリスからの独立を果たすと、フィラデルフィアで独立宣言が朗読され、「自由の鐘」が打ち鳴らされた。デビッドは鐘の実物を見学する。
アメリカに独立を許したイギリスは、今度はインドに目を向けるようにる。ロンドンのビクトリア・アルバート美術館には、インドのマイソール王国の国王、ティプ・スルタンのために作られたトラの玩具がある。アメリカのように独立などされないよう、トラを手なずけるかのごとくインドに対処すべき、という教訓のようだ。デビッドはインドのカルカッタを訪ね、旧総督府公邸やハウラ駅を見学する。
イギリスに戻ったデビッドは、ケント州の公兵博物館を訪れ、英雄チャールズ・ゴードンの遺品を手に取った。植民地アフリカで使われた、世界初の機関砲のモデルも見学する。大英博物館では、イギリス支配下で制作されたアフリカの美術品などを観賞する。
最後にデビッドは、バッキンガム宮殿前にあるヴィクトリア女王記念碑を訪れ、このモニュメントに込められた意味に思いをはせる。