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イギリス・華麗なる芸術の旅 7 新しい時代
イギリスの歴史を7つの時代に区分し、文書による記録ではなく、残された工芸品やアート作品を手掛かりに、ひも解いていくシリーズ。案内役を務めるのは、イギリスBBCのコメンテーターとして知られるデビッド・ディンブルビー。
第7話「新しい時代」は、20世紀の始まりから現代までに焦点を当てる。都市化、産業化、交通通信の発達などにより、人々の生活は良くなるかに見えた。だが、その前に第一次世界大戦を経験しなければならなかった。その後、イギリスが今日見られるような社会になるまでには、どのような道のりがあったのだろうか?
デビッドはまず、ロンドンの帝国戦争博物館を訪れ、ポール・ナッシュが描いた戦争画を鑑賞する。戦場のあまりの悲惨さに、この時代の画家の多くはありのままを描くのではなく、自らが感じたものを絵にした。
第一次世界大戦が終結すると、人々の生活は豊かになり、庶民でも自動車を持てるようになった。デビッドは、当時人気だったオースチン7(セブン)に試乗する。
オースチン7の販売開始と同じ年、新たなテクノロジーが登場した。ラジオである。デビッドはロンドンのBBC放送会館を訪ねた。また科学博物館には、BBC初の無線送信機や受信するための鉱石ラジオなどが保管されている。
第二次世界大戦が始まると、爆撃を避けるため、市民は地下鉄の駅へと避難した。当時のことを思いながら、デビッドはオールドウィッチ駅構内を歩いてみる。
二度の世界大戦の苦難を国民が分かち合い、何とかやり繰りする生活から、福祉国家という考え方が生まれた。さらに、国民健康サービス制度が実施され、誰でも医療が受けられるようになった。デビッドは、ギルドフォードのロイヤル・サリー・ホスピタルを訪ね、手術を見学する。
戦争が終わり、歓楽街ソーホーが発達する。そのソーホー文化の中心がバーであった。夜な夜なバーに集まる芸術家たちのなかには、フランシス・ベーコンらもいた。テート・ギャラリーには、ベーコンの絵が保管されている。さらに、デビッドは、現代彫刻家のアニッシュ・カプーアを訪ね、彼の作品を鑑賞する。また、グロスターシャー州にある現代美術家ダミアン・ハーストのスタジオを訪れ、彼が巨額を注ぎ込んだ作品を見学する。