BBC地球伝説

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ストーリー

モンスター ~人類が出会った驚異たち~ 姿を消した巨大動物たち

13000年前の北米大陸には、マンモスなどの巨大な象や、スミロドン、アルクトドゥスといった肉食獣が生息していた。食料を求め、現在のベーリング海峡にあたる陸橋を越えてアメリカ大陸にやって来た人類は、それらの動物たちと遭遇した。彼らは、最初はカリブーなどの中型動物を食料としていたが、石で矢尻を作る技術を身につけると、マンモスなどの巨大な動物も狩りの対象にしていった。20世紀になり、その矢尻がアメリカ・ニューメキシコ州のクロヴィスという町で発見されたことから、最初にアメリカに移り住んできた人々はクロヴィス人と呼ばれるようになった。アメリカ先住民族の祖先である。
時には、武器をもってしても歯が立たないモンスターに命を奪われることもあったが、クロヴィス人の数は着実に増えていき、やがて大陸を支配していくようになった。しかし、その支配の過程で動物たちの乱獲が横行し、マンモスなどの巨大動物は絶滅していった。それらを食料としていた肉食獣も、同じ道をたどった。自分たちの犯した過ちに気づいたクロヴィス人は自然との共存を心がけるようになり、その後1万年もの間、アメリカ大陸では、人間の手によって絶滅に追い込まれた動物はいないという。
しかし、大航海時代以降、ヨーロッパの人々が次々とアメリカ大陸に移住して来ると、古代と同じ過ちが繰り返された。彼らは銃を用い、動物たちを大量に狩ったのだ。中でも特に被害が大きかったのはバイソンで、北米全域に何千万頭といたはずが、19世紀の終わりには野生のバイソンは300頭ほどしか確認されなかった。
アメリカ大陸に生息していた動物たちにとって、移住してきた人類はモンスター以外のなにものでもなかったのである。