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ルネサンスの真実 終焉
ルネサンスの全貌を追って、ヨーロッパ各地を訪ねるシリーズの最終回。
13世紀、イタリアで産声をあげたルネサンス文化は瞬く間にヨーロッパ中に広がり、あまたのすばらしい芸術作品を生み出した。そして16世紀後半、ルネサンスは終焉を迎えることになる。ルネサンスの終焉は北方のブリューゲル、イタリアのバロック美術、フランスの巨大建造物などを生み出す。最終回では、ルネサンスが残した最後の輝きともいうべき作品を、ヨーロッパ各地に訪ねる。
13世紀、ルネサンス文化は瞬く間にヨーロッパ中に広がり、ダ・ヴィンチ、ラファエロ、ミケランジェロといった天才を輩出し、文化と芸術の黄金時代を築き上げた。そして16世紀後半、ルネサンスは各地でその役割を終えようとしていた。プロテスタントによる宗教改革はキリスト教世界を分断し、マゼランの世界周航は、世界を果てしなく広げていった。活字によって大量に印刷できるようになった書物は新しい知識をヨーロッパの隅々まで運び、解剖学は人間の内部に分け入り実験科学への扉を開いた。こうして古い世界観が徐々に崩れていく中にあって、ルネサンスの終焉は北方のブリューゲル、イタリアのバロック美術、フランスの巨大建造物などを生み出し、その役目を終える。
最終回は、ヨーロッパ各地に残る芸術作品の数々を紹介する。ローマのボマルツォの庭園、アントワープの市庁舎とプランタンの出版所、ブリューゲルの「雪中の狩人」、ミケランジェロの「メディチ礼拝堂」、ポントルモのサンタ・フェリチタ教会フレスコ画、ロマーノのパラッツォ・テなど、どれも過渡期のダイナミズムと芸術家個人の探究心に満ちた深遠な作品である。
ルネサンスは400年も昔の出来事であるが、現代に生きる私たちに多大な影響を与えている。人間への興味、生き生きとありのままに人間を描く芸術、人間の意識の探求という、ルネサンスに端を発する人間探求の旅は、私たち現代人の中に脈々と受け継がれているのである。