百年名家~築100年の家を訪ねる旅~

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アール・ヌーヴォーの館 後編 ~ジャポニズムの原点に出会う「旧松本家住宅」~

今回は北九州市にある「旧松本家住宅」の後編。北九州市は、筑豊炭田を背景に日本の近代化を支えた工業都市。そんな街に遺る旧松本家住宅は、実業家松本健次郎が明治45年に自宅兼迎賓館として建てた豪邸です。洋館と日本館で構成されるこの建物は、昭和47年に国の重要文化財に指定されました。前編では日本近代建築の父、辰野金吾が設計した洋館の1階部分を紹介しましたが、後編では洋館2階部分と日本館を取り上げます。日本館の設計は久保田小三郎という建築家。日本銀行の建設時に辰野の下で働いていた人物で、洋館の建築監督も務めています。ヨーロッパ最新のアール・ヌーヴォーデザインで飾られた洋館に対し、久保田の手掛けた日本館は、書院造りを基調とした純和風建築となっています。枯山水庭園を望む大座敷では、内と外が一体となった日本の伝統美に目を奪われます。一方洋館の2階には、アール・ヌーヴォーの空間の中に、突如驚きの部屋が姿を現します。それは何と暖炉が設えられた和室。しかもマントルピースには、フランスの芸術家たちに影響を与えた日本画家、高島北海の日本画が飾られていました。旧松本家住宅は“ジャポニズムの館”でもあったのです。

取材先情報

旧松本家住宅(西日本工業倶楽部)

福岡県北九州市戸畑区一枝1-4-33 
TEL:093-871-1031(代表) 093-616-8222(婚礼直通)
※婚礼や会食にご利用できます。詳しくはお問い合わせください。

公開:通常は非公開です。
   春・秋の年2回(各1日限定)に特別公開を行っております。
   日程は公開の1ヶ月半~2ヶ月前に決定し、市政だより・戸畑区役所
ホームページでお知らせいたします。詳細につきましては戸畑区役所
総務企画課 TEL:093-871-1501(内線262)へお問い合わせください。

※上記以外の情報については、公開出来ません。