百年名家~築100年の家を訪ねる旅~

百年名家~築100年の家を訪ねる旅~

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江戸中期の豪農屋敷
~「坂野家住宅」300年の時空旅~

今回は、茨城県常総市の「坂野家住宅」を訪ねます。坂野家は現在の常総市大生郷に土着して500年ほどになる惣名主的な存在。細長い沼地だった飯沼を新田に干拓した一大事業で坂野家は、幕府から責任者のひとりに任じられ豪農として発展を遂げました。そんな坂野家が建てた屋敷は、なんと7000坪にも及ぶ広大な台地を敷地としています。表門は茅葺きの薬医門。本来武家屋敷に設えられる形式の門を、おそらく農家として特別に造ることを許されたと考えられ、坂野家の役割の大きさを偲ばせます。更に屋敷構えの中心となる主屋の茅葺き屋根には、この地方独特の装飾性に富む伝統的な葺き方が施されています。江戸中期に造られた主屋は大型住居としてそれ自体珍しく、江戸後期になって接客用に増設された座敷部や表門と共に豪農屋敷の発展過程を知ることができる数少ない遺構です。そのため1968年に国の重要文化財に指定されました。また、大正9年に増築された書院は近代和風建築として貴重なことから、2006年には常総市の文化財にも指定されています。築300年に及ぶ坂野家住宅を通して、江戸時代中期から大正期までの日本の民家の変遷を辿ります。

取材先情報

水海道風土博物館 坂野家住宅

茨城県常総市大生郷町2037番地  TEL:0297-24-2131
入館時間:
午前9時~午後4時(11月~3月)※午後5時閉館
午前9時~午後5時(4月~10月)※午後6時閉館
休館日:
月曜日 ※祝祭日の時は、その翌日
年末年始(12月29日~1月3日)

※上記以外の情報については、公開出来ません。