百年名家~築100年の家を訪ねる旅~

百年名家~築100年の家を訪ねる旅~

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佐倉藩主の館「旧堀田邸」
~伝統と先進性の融合した大邸宅~

今回は明治期に建てられた大名屋敷の遺構「旧堀田邸」を訪ねます。旧堀田邸は佐倉藩最後の藩主、堀田正倫により明治23年に建設されました。江戸期に見られる大名屋敷の伝統的な造りを踏襲する貴重な建物として、平成18年に国の重要文化財に指定されています。施主の堀田正倫は、開国の父と呼ばれた堀田正睦の4男として生まれ、わずか9歳で家督を継ぎました。最後の佐倉藩主として激動の幕末から明治期を生きる中で、農業と学問の必要性を感じた正倫は、自らの財産を投げ打って農業試験場や佐倉中学(現佐倉高校)の設立に尽力するなど、先進的な考えを持った人物です。そんな正倫の建てた堀田邸は完成度の高い良質の純和風建築でありながら、構造材の結合部にボルトを用いるなど、当時最新の西洋建築技術を取り入れ、耐震性を高めた画期的な造りとなっています。母屋は玄関棟、座敷棟、居間棟、書斎棟、湯殿の5棟からなり、それぞれの棟に役割を持たせた大名屋敷の特徴を残しています。格式高い書院造を基本としながらも、場所ごとに釘隠しの意匠や壁の色を変えるなど、訪問客に配慮した工夫が施されています。激動の時代を生きた旧大名の先進的精神を感じさせる邸宅です。

取材先情報

旧堀田邸

千葉県佐倉市鏑木町274  TEL:043-483-2390
開館時間:午前10時から午後4時30分(入館は午後4時まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月28日から1月4日)

武家屋敷(旧河原家住宅・旧但馬家住宅・旧武居家住宅)

千葉県佐倉市宮小路町57番地  TEL:043-486-2947
開館時間:午前9時から午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月28日から1月4日)

※上記以外の情報については、公開出来ません。