百年名家~築100年の家を訪ねる旅~
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代官山「旧朝倉家住宅」 ~お洒落な街に残された伝統邸宅~
今回、八嶋さんと牧瀬さんが旅するのは、東京の代官山。言わずと知れた人気のファッショナブルタウンです。お目当ての旧家は、そんな最先端のアパレルショップやカフェが建ち並ぶ街の中心地にありました。それは大正8年に建てられた旧朝倉家住宅。朝倉家は代々この地で米穀商を営んで財を成した家柄です。今でこそ若者でにぎわうこの街ですが、かつての代官山は朝倉家の他に数軒の家がある程度の鄙びた地域だったそうです。施主の朝倉虎治郎氏は、木材を扱っていたこともあり、高価な銘木を集めてこの家を建てました。柱や長押などのほとんどすべてに美しい柾目材を使用しているほどです。当時は日本の大工技術がもっともピークに達した時代だったため、洋室の格天井に組み込まれた木製の装飾や、あえて木で作ったガラス戸のレールなど、驚きの職人技が至る所に施されています。中でも圧巻なのは、施主の趣味が最大限に発揮された杉の間。"柾目御殿"とも言うほどの屋敷内にあって、なぜかこの部屋には、木目の複雑な"板目"で構成されていました。平成16年に国の重要文化財に指定された旧朝倉家住宅は、ファッションの街代官山の真ん中で、かつての歴史を伝えていました。
取材先情報
旧朝倉家住宅
東京都渋谷区猿楽町29-20 TEL:03-3476-1021
【問い合わせ】文化振興課交流推進係(電話:03-3463-1142)
開館時刻:
午前10時から午後6時まで(11~2月は午後4時30分まで)
※入館は午後5時30分(11~2月は午後4時)まで
※車での来場はできません。
休館日:
月曜日(祝日の場合は直後の平日)
年末年始(12月29日~1月3日)
※上記以外の情報については、公開出来ません。