百年名家~築100年の家を訪ねる旅~
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滋賀・長浜 ~秀吉の理念と共に甦った城下町~
琵琶湖に面した長浜市は、滋賀県の東北部に位置し、周囲は伊吹山系の山々と湖北平野が広がり、県内でも優れた自然景観を誇る場所です。豊臣秀吉が造った最初の城下町としても知られています。そんな歴史町長浜も、20数年前には、ほぼ"シャッター通り"と化すほどに廃れていました。そこで昭和63年、地元有志が中心となって第三セクターを結成し、古い建物を生かした町づくりを開始。手始めに明治33年に建てられた、第百三十銀行長浜支店を修復復元し、ガラス工芸の店として活用しました。もともとこの建物は、黒漆喰の外観のため「黒壁銀行」として親しまれていました。そこで第三セクターの名も「黒壁」とし、古い建物を次々と修復活用。今では30店舗を数えるまでになり、「黒壁スクエア」というネーミングとともに観光客も激増しました。黒壁スクエアの展開によって、再び活気が戻った長浜の町。代々商売を続けてきた歴史的町並みにも脚光が集まるようになりました。多くの家には庭が設えてあり、そのほとんどが名だたる庭師の手掛けたもので、今回の見どころの一つとなっています。 水路や川が家々を巡り、まさに"風雅"とも呼ぶべき美しい町並みを造り上げています。