百年名家~築100年の家を訪ねる旅~

百年名家~築100年の家を訪ねる旅~

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龍馬が駆け抜けた幻の武家町 ~格式を受け継ぐ心 長崎雲仙~

今回の百年名家は、長崎シリーズの第二弾。長崎県雲仙市を訪ねます。
雲仙には文久4年(1864)、幕命を帯びた勝海舟が坂本龍馬ら随行員を引き連れて、島原から長崎に向かう道中立ち寄った場所が多くあります。その中のひとつが今回訪れる百年名家の舞台、雲仙市国見町にある『神代小路(こうじろくうじ)』という武家屋敷町です。

神代小路は、長い間歴史の谷間にひっそりと埋もれていた町です。全国的にもほとんど無名だったことが、逆にこの武家町をそのままの形で現代に継承させる要因にもなりました。
そんな神代小路が突如表舞台に登場したのはつい最近のことです。地元の人々の努力が実り、平成17年に国の『重要伝統的建造物群保存地区』に選定され、翌年には国交省の『美しい町並み大賞』に輝いたことで、一躍注目を集めるようになりました。

神代小路の歴史的価値は、何と言ってもその区割りにあります。領主の屋敷を守るように配置された武家屋敷の区画がほぼそのまま残されているのです。中でも最初に目を引くのは、各家を囲む石垣塀と疏水の美しさです。
神代小路を訪れた八嶋さんと本上さん。今もこの地に住み続ける武士の末裔たちを訪ねます。まず最初にお会いしたのは、領主邸のすぐ隣に屋敷を構える家老職の15代目当主。このお宅は“お殿様”を守るために、敵の目を欺く「疑似門」を構えています。主屋では、先祖伝来の日本刀や火縄銃も見せていただき、その想像以上の迫力に2人は大騒ぎ。お話を伺う中で、神代小路の武家屋敷が、あくまでも戦うことを前提として考えられていること、石垣や竹垣、屋敷林に至るまで、領主を守るためにレイアウトされていることを知ります。

旅の最後には、“お殿様”のお屋敷「鍋島邸」を拝見。その大きさと重厚さに圧倒されます。鍋島家伝来のお宝が満載の鍋島邸は、現在国の重要文化財に指定されています。
まさに、歴史の谷間から突如浮かび上がった「幻」の武家屋敷町。ここでは今もなお武家社会のまま時間が止まっている・・・そう感じた旅でした。