百年名家~築100年の家を訪ねる旅~
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歴史ある時の鐘が薫る ~小江戸情緒・埼玉川越~
今回から新パートナーに本上まなみさんを迎え、新たな旅が始まった『百年名家』。記念すべき第一弾は、“蔵の街”埼玉県川越を訪れます。
まず二人が訪れたのは“川越のシンボル”『時の鐘』。現在の鐘楼は、明治26年に起きた川越大火の翌年に再建されたもの。3層構造の塔で、高さ約16メートル。今も川越の街に時を告げています。普段は登れませんが、今回特別に最上階からの眺めを満喫します。
美しい黒漆喰の店蔵が立ち並ぶ一番街を散策する二人は、この街がたどった保存活動の変遷を知ります。重要建築物群保存地区に選定されている蔵の街は何故保存されたのか、川越の人々の心意気を探る旅の始まりです。
そして向かったのが、亀家山崎茶店。ここで二人は、関東でも屈指の巨大な蔵に遭遇、しばし言葉を失います。この「大蔵」は、明治26年の大火の際焼け残った貴重な江戸時代の蔵。かつては味噌蔵だったため、壮大な吹き抜けが見る者を圧倒します。山崎家は、明治時代には皇族も泊めていたほどの大店で、中庭奥には瀟洒な離れが残されています。ここは『お旅館』と呼ばれ、かつて皇族の宿泊用として使っていた建物です。現存する由緒正しいお座敷で、二人は何と大胆にも“大の字”に。
じつは川越は“洋館の街”でもあります。その中の一軒、「カフェ・エレバート」は、どこから見てもヨーロッパのカフェ。ところがひとたび中に入ると、何と和風の蔵造りが・・・。まるで摩訶不思議な和洋折衷建築が、川越の奥深さを教えてくれます。
蔵造りの表通りを離れて、次に向かったのは「菓子屋横丁」。風情ある路地には、お菓子屋さんが今も営業を続けています。中でも「玉力」は、川越で唯一手作りで飴を作り続けているお店。3代目と4代目の親子が無言で作業を続ける姿に、川越の伝統を守る職人魂を見ます。
最後に訪れたのは、築170年ほどの豪商の別邸。明治の始めから「料亭山屋」が伝統の古民家を守り続けています。敷地何と1000坪の広大な中庭に保存されている武蔵野の面影を、代々守り続ける4代目主人と若女将の想いとは。
蔵の街川越の人々の“ぶれない心”を感じる旅です。