中国神秘紀行

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作品内容

秘境に生きるやまびとの知恵 ~貴州省~

今回は、中国南部のカルスト地形の山岳地帯が広がる貴州省を旅します。
カルスト地形独特の空へ高く伸びる標高1000m越える山々は、峻烈な地形を形成し各地に独特の民族や文化を育んできたのです。そこには、人々が何百年にも渡って生きぬいてきた知恵がありました。その、暮らしに息づいた秘密を探りに貴州の深く入って村々を訪ねてゆきます。
最初に訪れたのは、雲峰八寨(うんほうはっさい)という村です。
石積みの住居が立ち並ぶ村は、一見、少数民族の村のようですが、実は彼らの祖先はおよそ600年前に数千キロも離れた地からやってきた漢民族です。
村人の服装も独特で、600年前と同じ姿をしているといいます。村の中を観てゆくと、まるでその作りは要塞のようです。村に伝わる異様な表情をしたお面、そしてそのお面をかぶり舞う勇壮な踊り、村の伝統をひもといて行くと彼らのルーツと村人が生き抜いてきた知恵が見えてきます。一体彼らは、何者なのか?
次に向かったのは、この貴州の山奥に潜む絶景のポイント。その美しさと雄大さで知られる滝です。「黄果樹爆布こうがじゅばくふ」と呼ばれるこの滝は砕け落ちる水が舞い散り虹を生み出します。カルストの大地が生み出した豊富で美しい水は、その下流で暮らす人々の支えとなってきました。畑や田んぼを潤し伝統の文化をも育んできたのです。下流のひとつの村、少数民族プイ族が暮らしています。彼らは自らの衣装を「藍」を使って染め上げてきました。
藍色に染まった布は、全て手作りによるもの。デザインも自然の模様を取り入れた独特のものです。この藍染めは、村を流れる美しい水があるからこそ長年の間永々とこの村に残ってきたのです。
さて黄果樹爆布の水は、どこえ向かうのでしょうか?実は、下流部には「蜘蛛人(くもびと)」と呼ばれる謎の人々が暮らしているといいます。
一体彼らは、何者なのか? 水の流れに浸食された高さ100mを越える洞穴に向かいます。そこに、命綱なしで崖を登る人々がいました。彼らは、驚くべき身体能力を持ち、垂直に切り立った絶壁を一気に駆け上ります。その技術は何百年も培われてきたもの。実は、中国では最高級の食材として知られる燕の巣を取る人々なのです。断崖絶壁を行き交う危険きわまりない彼らの仕事ぶりの撮影に成功。スリリングな映像と共に「蜘蛛人」のルーツに迫ります。
なぜ、彼らは断崖絶壁を登るようになったのか、そこには祖先との深いつながりがあったのです。カルストの大地が生み出した雄大な大自然が、それぞれの民族の文化を守ってきたのです。

初回放送:2008年11月20日