うたの旅人

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初回放送:2011年3月22日「北国の春」





「私とあなた」
「ガジュマルの下で」
「故郷的雨」
これらはみな、あるひとつの歌のタイトルである。
あなたはこの歌が何か分かるだろうか?
中国、チベット、タイ、ベトナムと、タイトルを変え、アジア各国で歌われている日本のヒット曲。
それが千昌夫の「北国の春」なのである。

♪季節が都会ではわからないだろうと
届いたおふくろの小さな包み 
あの故郷(ふるさと)へ帰ろかな 帰ろかな

1977年に発売された「北国の春」
故郷への思いを切々と歌ったこの歌は、当時、都市化と核家族化が進む日本にあって、多くの人たちに望郷の念を抱かせ、大ヒットとなった。
34年前に発売されて以来、日本に留まらず多くの国で愛され続けている永遠のヒット曲。
国を越え、世代を越え……この歌は何故、人々の心を揺さぶり続けるのだろうか?
番組は「北国の春」を通して、知られざる千昌夫のデビュー秘話から、大ヒット曲誕生までの軌跡を追う。

発売当初はなかなか売れなかったというこの歌。
例えば、この歌を歌う時に千昌夫が必ずまとっていたヨレヨレのコート。
あの衣装にもヒットにかけた千昌夫の切なる執念が込められていたことをご存知だろうか?
今回、千昌夫の口からヒットにかけた歌い手の思いが明らかになる。

さらに「北国の春」の誕生とヒットの陰に潜む、男たちの苦労と努力。
そこには、歌の誕生にかかわった3人の男たちの、ある共通する思いが秘められていたのだ。

その男たちとは、
歌手・千昌夫。
作詞家・いではく。
作曲家・遠藤実。
それぞれ日本の歌謡界を代表する面々の共通点とは何か?
誰もが貧しかったあの時代。
仕事を求め故郷を離れ、ひとり都会で生きる者たちにとっての心の支えとなったこの歌に象徴される"時代の空気"とは?
永遠のヒット曲に秘められたエピソードとともに、懐かしいあの時代が鮮やかに蘇る。