うたの旅人

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初回放送:2010年8月6日「上を向いて歩こう」





「スキヤキ」――この日本人にとっては違和感のある名で、世界60カ国以上で1300万枚以上のレコードを売上げ、米国でも100万枚以上の売上を記録してゴールデン・レコードを受賞した「上をむいて歩こう」。この、おそらく、世界で最も有名な日本のポップスと、それを歌った歌手・坂本九の知られざる素顔を取り上げる。

「上を向いて歩こう」は多くの人々に勇気を与えた。歌が出た翌62年、太平洋をヨット単独横断した堀江謙一さんは、この歌で航海の孤独を慰めた。2004年、台風のため舞鶴市の国道で水没したバスの屋根の上で、避難した37人はこの歌を歌って一夜を耐えた。
小惑星探査機「はやぶさ」の帰還、サッカーワールドカップ日本代表の健闘など、今、日本人を勇気づける快挙が続くなか、「上を向いて歩こう」はまさにタイムリーな歌なのである。

また、「御巣鷹の尾根」に墜落した日航ジャンボ機と共に、坂本九がその命を散らして24年。坂本には知られざる顔があった。1976年から9年間、亡くなるまで北海道各地の福祉施設を訪ねる番組の司会を務めた。5000人以上の障害者に会い、自分の言葉で語りかけ、「障害者の希望の星」だった坂本九。コンサートにおいて手話で歌うことを広めたのも坂本だった。障害者たちとの知られざる交流秘話を、番組では追う。

遺された妻・柏木由紀子と2人の娘は、現在「ママ・セフィーユ(母と娘たち)」としてコンサートを開いている。坂本の映像と歌声に重ねて「上を向いて歩こう」を歌う。「家族みんなでコンサートをやりたい」と言っていた坂本の夢をかなえたのだ。「パパの歌を親子で継いでいきたい」――そう話す柏木と娘たちの今と、父・坂本九への思いを紹介する。