Rolling Stones誌で「注目すべき10アーティスト」に名を連ねたシカゴ出身の4人組パンク・ロックバンド。アルバム『インフィニティ・オン・ハイ -星月夜』は全米初登場1位になるなど今や世界中で大人気、全世界の音楽シーンに強烈なインパクトを与えているFALL OUT BOY。
「America's Suitehearts」
アルバム「FOLIE A DEUX/フォリ・ア・ドゥ-FOB狂想曲」はアメリカの社会への風刺の意味を込めている。敬愛するアーティストエルビス・コステロやブロンディのデボラ・ハリーなど豪華アーティストとコラボレートしたアルバムからの2ndシングル「America's Suitehearts」。FOBならではのポップで美しいメロディーラインが印象的な曲。
※以下の黄色部分に関して: パトリックはここで以下(黄色)の内容まで言及していませんが、ネットで検索したところ、Folie A Deuxは「2人組精神病」と訳されているもので、共同生活を送る2人のうちの片方が妄想癖などの精神疾患があった場合、正常だったはずのもう片方の人間にも同様の精神障害が出始めるといった心理学的症例を指したものとのこと。
(Folie A Deuxというのは)フランス語の専門用語で、「2人組精神病」と呼ばれる症例を指したものだ。アメリカでは1900年代初頭に使われるようになった言葉で…
心理学の用語だ。
そのとおり。でもフランスでは使われたことがない言葉だと思う。
フランス人は意味を理解できないと思うよ。
アメリカの心理学では知られた用語で、共同生活を送っている2人の人間がそれぞれ精神障害を発症していた場合、その症状は倍増してより危険な状態に陥るという傾向を指している。つまり、個別のパーツが組み合わさることで、より大きな力を持った脅威に変化するということだよ。僕らがこの用語を使ったのは、人々がアメリカ文化と関わり合うことで、自らを"精神障害者へと追い込んでる"という比喩で表現したかったからなんだ。アメリカ社会を見渡してみると、人々は車メーカーの戦略やテレビCMに操られ、どんどん大きな車に乗るようになってしまった。車は飽くまでも1つの例であって、モノに限らずすべてにおいて"異常"な流れになってるように思う。人々はバカげたリアリティー番組にクギ付けになり、番組で優勝したら結婚もできて金持ちにもなれるという概念を植え付けられてる。そんなのは常軌を逸っしているけれど、そういう番組を見たいという視聴者と、カネ儲けのために番組を制作する側とが、相乗効果によって状況をエスカレートさせているんだ。今回のタイトル、そういうアメリカの今を揶揄したものだよ。説明が長くなって申し訳ないけど、アルバム・タイトルが意味するものは、社会やアメリカ文化に対する風刺ってことだね。
そう、大半はネット経由だった。でもPanic At The Discoのブレンドンは僕らの親友で、LAからそれほど遠くない場所に住んでいたので直接顔を合わせたよ。彼の家はLAとラスヴェガスの間にあって、たまにマリブまで来ることも知ってた。だからあるとき会いに行って、アルバムへの参加を取りつけピアノを弾いてもらったんだ。それにフェレル(・ウィリアムス)とも長いこと話し合った末、彼が街に来た時に一緒にスタジオに入ってレコーディングをした。でもそれ以外のアーティストとは、ネット経由でのコラボだったよ。そのやり方のほうが正解だったと思える例もあって、エルヴィス・コステロはまさにその1人だった。彼は僕のヒーローだけど、人となりについてはまったく知らなかったんだ。彼の音楽は好きだけど、どういう人間かまでは知りたくなかったのでネット経由のコラボは正解だったね。決して失礼な意味ではなく、彼の個人的なことにまで踏み込みたくなかったし、音楽だけを通じて関わっているほうが、よりピュアな気持ちで作品に耳を傾けられる。彼のパフォーマンスは大好きだけど、直接会って「大ファンです!あなたの作品は素晴らしい」なんて会話をするのはイヤだったんだ。尊敬していても、そこまでするのは気が引けたし。デボラ・ハリーの場合も、まったく同じだった。それからリル・ウェインは僕らの友人だけど、居る世界がまったく違う感じだったかな。彼は独自の道を歩んでいるアーティストだからね。そんなわけで、彼と顔を合わせてコラボしても、しっくりいかない気がしたんだ。それで距離を置いてネット経由でコラボをした。