辰巳琢郎の家物語 リモデル★きらり
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2階の中庭から都心の空を取りこむ家

今回辰巳琢郎が訪ねたのは、都内でも屈指の繁華街、六本木からわずかの閑静な住宅街にあるD邸です。
築25年の一戸建てをリモデルしたD邸は、地上3階地下1階建て。
2人のお子さんと一緒に暮らすのは、ドイツ出身のご主人とニュージーランド出身の奥様。
Dさんご夫妻は以前、都内の賃貸マンションで暮らしていましたが、お子さんの通学や自分たちの通勤に便利なこの場所に中古住宅を購入。
リモデルが盛んな国ご出身のお二人は、まずその家に住むことにしました。
住んでみなければわからない、家の長所や問題点をリモデルに活かすためです。

以前、リビングは1階にありましたが、住み始めてみるとその暗さが気になりました。
D邸は周りを住宅で囲まれているため、1階に光が届きにくかったのです。
そこでリビングを2階にもってくることにしました。
さらに屋内にいても外とのつながりが感じられるよう、なんと2階の真ん中にウッドデッキで中庭を造ったのです。
上の階の床を抜き、見上げれば都心の空を眺めることができるこの中庭。
ガラス張りにすることによって屋内に雨風が入ることを防ぎ、リビングやダイニングキッチンは自然光の差し込む開放的な空間になりました。

リモデル前のD邸は2階建て。
屋上もありましたが、梯子を使ってあがらねばならず、非常に不便で危険も伴いました。
その屋上をうまく利用できると考えたDさん。
屋上と2階を室内階段で行き来出来るようにし、屋上の一部に屋根を取り付けて、出来た空間を屋上リビングにしたのです。
残りの部分にはウッドデッキを敷き、六本木ヒルズやミッドタウンを臨むことのできる、贅沢な空間になりました。
お子さんが寝た後、ご夫婦でワイングラスを傾けながら東京の夜景を楽しむこともあるんだとか。

光あふれる家には、家族の笑顔が似合います。
理想のリモデルをするには、家を知ることが大切。
そう実感させてくれるD邸でした。

芦沢啓治建築設計事務所
http://www.keijidesign.com/