辰巳琢郎の家物語 リモデル★きらり
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スキップを活かして明るくなった家

今回辰巳琢郎が訪ねたのは、東京湾に臨む海岸線の町、幕張からほど近いところに建つ築32年の一軒家、N邸です。
こちらで2人のお子さんと愛犬と共に暮らすNさんご夫妻は、中古の住宅を購入しリモデルしました。
以前は大工さんの自邸だったこの家は、1階部分に作業場が作られていました。
斜面の中腹に建ち、中2階のように半階ずつずらしたスキップフロアという特殊な構造をもつこの家が気に入り、購入を決めたのです。
将来はご主人のお母様と同居できる家を作ることが目的でリモデルしたN邸は、2009年のリモデルスマイル作品コンテスト「めざしたい生活シーン実現のためのリモデル」で最優秀賞を受賞しました。

奥まった敷地に建つN邸。
外観の形はそのまま残し、道路から見える外壁には、古くから日本家屋に使われてきた外壁材、焼杉を貼りました。
また、人目につきにくく、プライバシーが守られている玄関はガラス張りにし、防犯性も高めました。
玄関から1階を通り、中2階へと真っ直ぐに伸びる階段の壁は大容量の壁面収納になっています。
階段や廊下などの壁面を江戸時代から使われているベンガラ色の漆喰で塗ることにより、空間のアクセントとしました。

以前は光が届きにくい1階にあったリビングは、日当たりのよい中2階へと移動。
2間の和室をひとつにし、光あふれる広々としたリビングダイニングキッチンへとかわりました。
およそ5メートルもあるテーブルによってひと続きになったダイニングとキッチン。
シンクやコンロもあるキッチン部分と、テーブルとして使うダイニング部分では使いやすい高さが違うため、床の高さを変えて調整しました。
また、リビングにはソファを置かないかわりに、ごろ寝ができるよう琉球畳を敷いた4帖の小上がりを作りました。

明るく開放的なリビングには自然と家族が集まります。
大きなテーブルを囲んで、夜遅くまで笑い声は続きました。

荘司建築設計室
http://www.t-shoji.net/