建物遺産~重要文化財を訪ねて~
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宇部市渡辺翁記念会館
この会館は、実業家で宇部興産の創業者・渡辺祐策(1864-1934)が宇部の発展に貢献したことを顕彰するために建てられた。鉄筋コンクリート造、3階建一部地下室付。会館前には広大なテラスと記念碑、6本の記念柱、外観正面は塩焼風のタイルを貼り、曲率を変えた三つの壁面で構成されている。内部の音楽ホールは西日本で最も歴史あるホール。ロビーを含め、曲線が多用されている。設計は、早稲田大学建築学科を卒業し渡辺節建築事務所で実務を学んだ村野藤吾(1891-1984)。彼の集大成の作品といえ、高い価値がある。