建物遺産~重要文化財を訪ねて~

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披雲閣(旧松平家高松別邸)

披雲閣は、旧高松城主・高松松平家第12代当主、松平頼寿伯爵が別邸として建てたもの。高松城跡の三の丸に所在する。設計・施工は清水組。三の丸南面の桜御門を正面として敷地中央に本館を建て、海に面した北側に庭園を配した。本館は、接客、居住、家政などの機能をもつ各部屋があり廊下で接続した。江戸時代の御殿を意識した伝統的な配置や意匠をもち、142畳敷きの「大書院」から複数の小座敷を配した「杉の間」まで、充実した接客空間を擁する。披雲閣は、旧城主により近代に建築された大規模な和風住宅であり、江戸時代の城跡に再建された希少な事例である。また、近代的な組織体制により設計と施工の管理が徹底された住宅建築であり、大正時代におけるわが国の大規模和風住宅の技術的水準を示すものとして重要である。