建物遺産~重要文化財を訪ねて~
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<特別編>山梨市庁舎
現在の山梨市役所は、平成16年(2004)に閉鎖された「工場」をスクラップ&ビルトするのではなく、改修して「庁舎」として再生させた前例のない建物。東館と西館の2棟があり、東館は、コの字型の工場棟を切断(減築)、必要とする部分のみ残し、外壁を取り払い躯体のみとし、周囲に外付けフレームを新設した。これにより耐震補強が為され、庁舎として相応しいファサードと魅力ある空間が生み出された。西館は、建屋はそのままに間仕切り壁の変更と設備の更新のみで済ませた。東館と西館の入口部をつなぐ屋根付き通路(キャノピー)を設け、庁舎全体の統一感と雨天時等のスムースな移動を可能とした。既存の工場施設を最大限活かし再利用することで、環境にも配慮でき、建築コストも半分以下に収めた。設計は、梓設計。