建物遺産~重要文化財を訪ねて~

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<特別編>野島断層保存館

平成7年(1995)、淡路島沖を震源とするM7.3、最大震度7を記録する阪神淡路大震災が発生。この地震は活断層である野島断層が動いたことにより起き、地表のズレが北淡町(現・淡路市)に10kmにわたり現れた。この保存館は、その断層の一部、50cm隆起し横に2mズレた実際の場所を約140mにわたり保存・展示し、多くの人に大震災の記憶に触れてもらい、地震のエネルギーの大きさと自然の脅威を後世に伝える施設として建設された。設計は、昭和設計。設計のコンセプトは、断層の「軸線」「ズレ」「亀裂」というモチーフを取り入れ、常に来館者が断層をイメージできるデザインとした。保存する断層を傷つけないように、断層部の両側約15mは基礎を外し、軽い屋根(鉄骨造)をアーチ構造にしてかけ渡した架構とするなど、構造的にも種々の配慮を行った。