建物遺産～重要文化財を訪ねて～

旧函館区公会堂

本館と附属棟から構成される。設計は函館区技師・小西朝次郎。本館は木造２階建、１階正面にはコリント式オーダーに支えられたバルコニーを設けている。内部は中廊下に面して、食堂、球戯室、寝室、会議室などの小部屋が配され、２階は大部分を講堂とし、明治４４年(1911)皇太子（大正天皇）行幸の際の御座所、御寝室が復原されている。附属棟は管理人の住居として建てられた木造平屋建、本館と廊下でつながっている。計画当初は、町会所、商業会議所事務所、ホテルの３機能を有する建物を考えていたが、ホテルとして営業されることはなかった。外観塗装は改修工事の際に創建当時のブルーグレーの壁に黄色の縁取りとなった。明治時代の公会堂建築の数少ない遺構であり、我が国を代表する明治洋風建築の１つである。