建物遺産~重要文化財を訪ねて~

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旧第五十九銀行本店本館 [現・青森銀行記念館]

同志社

ルネサンス様式を基調とした木造2階建の明治洋風建築。中央を張り出した左右対称の構え。付け柱を規則的に並べ、壁は防火を目的に瓦貼り漆喰塗りとし目地を入れている。正面屋根には半円アーチを3つ重ねた庇をもつ展望台を設けた。設計施工は、地元弘前の大工棟梁・堀江佐吉。彼は函館で開拓使の建築に携わり洋風建築を学んだとされている。弘前を代表する種々の近代建築に関与した。内部1階は、褐色の木と漆喰の白のコントラストが空間を引き締めている営業室、客溜まり。扉を隔て応接室、頭取室と続く。2階へ登る曲がり階段は地場産のケヤキを用いた木製階段で、当時は大株主だけが使用できた。2階の大会議場は、格天井を飾る金唐革紙が見どころ。地方都市に残る明治建築の中では意匠的に優れたものの一つである。