建物遺産~重要文化財を訪ねて~

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綿業会館

綿業会館

綿業会館は、紡績繊維関係者の会員制倶楽部として建てられ、大阪繊維産業の繁栄を物語る作品であり、商都・大阪の近代建築の最高傑作とうたわれる建物である。鉄筋コンクリート造、6階建+地下1階、伝統的な様式を用いつつもフラットな外観、内装は一転して装飾豊かな空間が広がり、各部屋の意匠も秀逸で、様式建築の習熟を示す建物として、高い価値がある。設計は、東京帝大工科大学建築学科を卒業した「渡辺節(1884-1967)」。洗練されたディテールを得意とし、アメリカ流の合理的な建築生産システムに造形が深かったことで関西財界で高い評価を得、大阪府建築士会会長等も務めた。この建物は、当時の東洋紡専務取締役・岡常夫の遺言による寄付・100万円と会員の寄付・150万円を投じて建設された。(公開:第4土曜に2回、有料)