市長はムコ殿

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ストーリー

第7話  「相棒登場」

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大将の親友・城ヶ崎が訪ねてきた。大将とは大学時代の同級生であり、一緒に貿易会社を立ち上げた仲だ。市長選に出馬するために退職を申し出た大将を快く送り出してくれた城ヶ崎は、大将にとって恩人でもある。久しぶりに会った城ヶ崎は羽振りがよく、外車を乗り回している。次に売り出す商品もヒットの予感がしているという。
ある日、城ヶ崎が雑誌記者を伴ってやって来た。注目の起業家としてビジネス雑誌の密着取材を受けていた城ヶ崎は、市長と親友であることをアピールしたいのだ。しかし、市長が勝手に雑誌の取材を受けることは許されない。今の大将は公人であるため、なかなか昔どおりの付き合いはできなくなっていた。それでも城ヶ崎は大将の前に度々現れるようになり、その都度何か頼み事をしていく。城ヶ崎に恩義を感じていた大将も、きっぱりと断ることができない。
乙女は、そんな城ヶ崎に疑いの目を向けるようになっていた。市長になった途端、周囲の人たちの態度が変わることを、前市長の時に散々見てきたのだ。真理も城ヶ崎の性格の変化を感じていた。
「城ヶ崎さん、あなたを利用しようとしているわ」
大将もうすうす気付いてはいたが、親友である城ヶ崎に冷たい態度をとることもできない。
たまの休日、多忙な毎日ですっかり家族サービスもできずにいた大将は、思い切ってみんなで動物園に行くことに決めていた。しかし、そこに城ヶ崎からゴルフの誘いの電話が。
「わかった…行くよ」
大将の返答に、家族は耳を疑う。久々の家族水入らずの外出をキャンセルしてまで、城ヶ崎とのゴルフを優先させてしまったのだ。さすがに真理も頭に血が上り、夫婦ゲンカは避けられない。
「家族と友達のどっちが大事なの!?」
それでも大将は城ヶ崎を見捨てることができず、ゴルフへ行ってしまう。心配になった真理は、城ヶ崎の会社の部下に聞いてみる。すると大将が退職した後の城ヶ崎は、以前は部下の意見に耳を傾ける男だったのに、独断専行で無理な仕事に手を出すようになったことがわかる。
そんな時、城ヶ崎が失踪したことを知らされる。発売予定の外国産ミネラルウォーターが検査で不合格となり、多額の負債を背負うことになったのだ、それを知った大将は…。