熱中世代 大人のランキング

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バックナンバー

2014年8月18日放送

熱中ゲスト

女優 香川京子

日本映画の黄金期から今日まで半世紀以上にわたり120本の映画に出演、さらにテレビや舞台でも活躍する、日本を代表する女優、香川京子さんをゲストに迎える。
黒澤明や小津安二郎、溝口健二などのもと日本映画史に残る数々の名作に出演し、〝監督荒し〟とも呼ばれた香川さんは、どんな思いでカメラの前に立ったのか・・・。また〝巨匠〟たちの個性あふれる演出や、田中絹代、原節子、三船敏郎ら共演者との交流についても聞く。
香川さんの活動は女優業だけにはとどまらない。
太平洋戦争の際、戦場となった沖縄で動員された「ひめゆり学徒隊」の方々と親交を重ねてきた。20歳のとき、映画「ひめゆりの塔」で、「ひめゆり学徒隊」の一人の少女を演じ、1979年には「ひめゆり学徒隊」の同窓生の卒業式に立ち会った香川さん。〝あの時〟一体何があったのかを、自身で詳細に調べ、1992年には著書『ひめゆりたちの祈り』を出版している。香川さんを突き動かしたもの、そして伝えたい思いとは・・・。
現役として活躍する一方、香川さんはまた、映画の資料保存や語り部としても重要な役割を担っている。2011年には「国際フィルム・アーカイブ連盟(FIAF)」から、映画保存に貢献した人に贈られる「FIAF賞」を、日本人として初めて受賞した。香川さんの映画への熱い情熱に迫る。

カルチャーランキング

熱中世代が好きな日本映画の〝巨匠〟

ゲストの香川京子さんにちなみ、「好きな日本映画の〝巨匠〟監督」を熱中世代のオトナ100人にアンケート。数々の名作とともに世界でも評価の高い映画監督が日本には、たくさんいる。なかでも〝巨匠〟と呼ばれる監督のうち、熱中世代が好きな人は誰なのか。
香川さんを抜擢した監督たちは選ばれたのか、果たしてその結果は。映画ファンのみならず興味津々のランキングを紹介する。

プレイバック

カメラテストと最終面接が同じ日に・・・母の言葉で決断

女優の道を歩み始めたのは17歳のとき。1947年、新東宝への入社だった。そのきっかけは東京新聞の「ニューフェイス・ノミネーション」への応募。香川さんが女優を目指した理由とは・・・。一方で、同じ時期に香川さんは一般企業の就職試験も受けていた。ここで、困ったことが起きた。企業の最終面接と、〝ニューフェイス〟のカメラテストが同じ日になってしまったのだ。〝どうしよう〟・・・悩んでいた娘の背中を押したのが母親の助言だった。あの時、別の決断をしていたら女優・香川京子は誕生しなかったかもしれない。運命の分かれ道となった決断、〝答え〟を見出す力になった母の言葉とは・・・。
その後、日本を代表する監督たちのもとで、やはり日本を代表する俳優や女優と共演してきた香川さん。代役でのデビュー以来、さまざまな役柄を演じてきた。例えば、黒澤明監督の作品では5本の映画に出演。三船敏郎との共演が多いが、役柄はいずれも異なるものだった。香川さんは、撮影現場で何を感じ、どんな思いで演技をしてきたのか、そして共演者の素顔とは。香川さんが名作の誕生秘話を語る。

ライフスタイル

「ひめゆり学徒隊」と伝えたい思い

222人の少女たちが動員され、半数以上の少女たちが〝戦死〟した沖縄の悲劇・・・。
映画「ひめゆりの塔」で香川さんは「ひめゆり学徒隊」の一人を演じた。作品への出演前、香川さんは今井正監督から作文を書くよう求められたという。撮影当時は沖縄が返還される前で、東京と千葉が撮影現場となった。香川さんはどんな思いで学徒を演じたのか・・・。
香川さんが初めて沖縄を訪ねたのは、1979年。その時に立ち会ったのが「ひめゆり学徒隊」の卒業式だった。この時、香川さんは〝ひめゆり〟の少女たちが活動した壕や命を落とした現場を訪ねている。翌年には東京で〝ひめゆり〟の同窓生の方々と再会し、以来、親交を続けている。一方で、沖縄を訪問するなど自身で〝ひめゆり学徒〟について調べ一冊の本を出版している。『ひめゆりたちの祈り』だ。
戦後69年の夏、香川さんが伝えたいこと、そして思いを聞く。

香川京子(かがわきょうこ)

東京都出身。都立第十高女(現・豊島高校)卒業後、新東宝に入社。1950年、島耕二監督の「窓から飛び出せ」で映画界デビュー後、成瀬巳喜男監督の「おかあさん」、今井正監督の「ひめゆりの塔」(53)、小津安二郎の「東京物語」(53)、溝口健二監督の「近松物語」(54)熊井啓監督「深い河」(95)など数多くの名作に出演している。

黒澤明監督の作品では「天国と地獄」(63)「赤ひげ」(65)「まあだだよ」(93)などに出演。
90年、熊井啓監督の「式部物語」でキネマ旬報助演女優賞、日本映画批評家大賞、「まあだだよ」で田中絹代賞、日本アカデミー最優秀助演女優賞などを受賞した。

舞台のほか、テレビでの経歴も長く、NHK朝のテレビ小説「水色の時」(75)をはじめ、「ふたりっ子」「芋たこなんきん」などの作品に出演している。
最近では映画「東南角部屋二階の女」「Ballad」などに出演した。

1998年秋に紫綬褒章、2004年秋に旭日小綬章を受章。
著書に「ひめゆりたちの祈り」(1992年、朝日新聞出版刊)、「愛すればこそ」(2008年、毎日新聞社刊)がある。
2011年、FIAF賞を受賞。最近は上映の機会にその主旨を伝えたいと努めている。
※FIAF 映画フィルムを保存する為の国際的な連盟