ボクらの地球
放送内容
熊野古道から神々の森へ 知の巨人・南方熊楠の足跡を追って
伊勢神宮の式年遷宮などで、日本人と神の関係に関心が集まっている。世界遺産・熊野古道は、そんな日本の神々の原郷のひとつ、紀伊山地の3つの霊場に続く道。深い森のなかを祈りながら歩くことで、旅人を蘇生させるという巡礼の道だ。
しかし、明治時代、政府の神社合祀(ごうし)令により多くの神社が廃止、合併され、鎮守の森が伐採される危機に直面した。そのとき、この森を守ったのが、和歌山市出身の世界的な学者、そして大いなる「変人」として知られた南方熊楠だった。博物学者であり、生物学者であり、民俗学者でもあって、あの世この世のすべてのことを研究対象とした熊楠。彼は、「エコロギー(独)」(エコロジー)という概念をもとに、時の政府と渡り合い、現在も残るいくつかの森を守った。 そして、変形菌(粘菌)という不思議な生き物のライフサイクルなどをヒントに、「南方マンダラ」という、奇妙で謎めいた図を残している。
番組は、若手俳優・青山草太とともに、南方マンダラの謎を追って、熊野古道を旅する。ゴールは、熊野三山のひとつ、熊野那智大社の広大な原生林。そこは、熊楠が34歳の年から3年間、生物採集と思索に没頭、南方マンダラの着想を得たとされる森だ。一般人がなかなか入ることのできない「神の森」那智原生林に特別な許可を得て踏み入る。
さらに、熊楠が守り、昭和天皇に自然の仕組みをご進講した天然記念物「神島(かしま)」にも上陸した。そこで青山が見たものとは?