ボクらの地球

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放送内容

列島縦断ニッポン生物図鑑~異常気象で変わる生態系~

今回のテーマは、異常気象による生物の生態系異変。今年日本列島を襲った猛暑、雷雨、台風などは、生物が暮らす環境に大きく影響を及ぼしている。 スズメバチは都市部へ進出し、南海の楽園ではサメが大量発生、日本列島では、本来いるはずのない外来生物が増殖している。 生物たちは、将来の日本の生態系に警鐘を鳴らしているのだろうか。 俳優・照英が日本各地の生物専門家とともに、異常気象と生物の生態変化の秘密を探る。

今年、日本列島を襲った猛暑、雷雨、台風などの異常気象。それは、私たち人間の環境とともに生物たちが暮らす環境にも変化を及ぼしていた。猛暑により昆虫界の頂点にたつオオスズメバチが増え、さらにはつぎつぎと都市部へ進出。スズメバチハンターに密着した照英は、次々に異変を目撃する。オオスズメバチは山の土の中に巣を作る習性を持つが、今年は、住宅街の家の中など都市部で多く発見された。「土砂災害などで巣が壊される心配がなく、餌となる昆虫が都市部にあることが原因だ」とスズメバチの専門家は言う。

さらに、他の生物にも異変が。ここ数年、沖縄周辺に接近する台風が年々増加している。台風が接近すると海水がかきまわされ、深い部分にある栄養塩が表層に浮かび上がってくる。すると、栄養塩に魚が集中し、魚を追うサメもまた多く集まってくるのだ。石垣島では1年に1回のサメ退治が行われているが、今年は過去最大規模の88匹があがった。

そして、日本列島では外来生物の繁殖が危機的な状況をむかえている。北海道の国定公園に指定されている阿寒湖(あかんこ)。漁師たちの漁に同行して目の当たりにしたのは、外来のウチダザリガニが次々とあがる事態。湖底には推定で55万匹がいるといわれているが、もともと食用として移入されたものがきっかけで異常な数まで増殖。雑食性が高いため、近年の水温上昇で減少傾向にある天然記念物のマリモがウチダザリガニに食べられてしまう被害が出ている。

古都、京都・伏見の住宅街の一角では、外来のアルゼンチンアリが発生。在来の生物を駆逐し、住宅街の庭や家の中に侵入していた。その繁殖能力はすさまじく、町でも対応に苦慮している。沖縄の河川では、100%が外来の魚に支配されてしまった場所もあるほど。投網を引き上げると出てくるのは、グロテスクな表象のマダラロリカリア(通称ヨロイナマズ)やティラピア。すべて南米原産やアフリカ原産の外来種だ。観賞用として飼っていたものが繁殖した可能性がある。

異常気象の影響でその生態系を変える生物たち―。私たちが暮らす日本列島の異変を追う。