ラストメール2 ～いちじく白書～

「お前の母さんは東京にいる」…天国にいる祖父の勘吉から届いたメールを何度も見返す一希（中村優一）。そんな折、東京で行われるゆるキャラ®イベントに「いちじくん」として出場することになり、複雑な思いで、静果（中村静香）とともに東京に向かう。
東京・六本木ヒルズのゆるキャラサミットの会場では、日本各地のさまざまなキャラクターの着ぐるみが集合している。イベントに先立ち、ゆるキャラコンテストの審査員となっている話題の芸術家・モレッティ奈美子（岩崎良美）が紹介される。国際的なコンクールで受賞した奈美子の作品の写真が見せられた時、一希の顔色が変わる。作品に記された奈美子のサインに見覚えがあった。それは勘吉が大切にしろと言った漬物石に刻まれているものと同じだったのだ。そして勘吉からメールが着信する。「そうだ、一希、その人が一希の母さんだ」あまりの偶然に呆然となる一希。
イベントが始まり、テレビクルーとともに、奈美子が一希のブースを訪ねてくる。どうしていいか分からず不器用な対応をする一希を静果がいぶかしがる。
その時、警官に追われたコンビニ強盗犯が会場に乱入し、奈美子を人質にとってしまう。一気に緊迫するイベント会場。抵抗する奈美子に男がナイフを振り下ろしたその瞬間、思わず一希は「母さん！」と叫びながら男に突進した。もみ合いになり、腕をナイフで刺され、気を失って倒れる一希。男が警官に取り押さえられた。
救急隊員の手当を受け、包帯を巻かれた一希の前には、奈美子と静果がいる。一希が奈美子に「母さん」と声をかけると、奈美子は「人違いじゃないですか？」と答える。「私には子供はいません」という言葉にショックを受ける一希。「今日は助けていただいてありがとうございました」。頭を下げ、出て行こうとする奈美子に一希は「じいちゃん、死んだから･･･あなたには関係ないことかもしれないけど」と話しかけるが、「おじい様、残念でしたね」と奈美子は去っていく。
一希はうちひしがれ、勘吉からのメールも見ずに携帯を残して去っていく。静果は、一希の携帯に残されている勘吉からのこれまでのメールを読み、事情を理解する。
日那比多町（ひなびたちょう）の自宅に帰り、カラ元気をみせる一希だったが、台所で奈美子のサインの入った漬物石を見ると思いがよみがえる。「こんなもの、もう要らないんだよ」と言って、一希は静果の前で漬物石を割ろうとする。