五木寛之の百寺巡礼

五木寛之の百寺巡礼

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放送内容

「梅林寺」(福岡県)

九州一の大河、筑後川の畔に立つ梅林寺(福岡県)。梅の名所ともされるこの禅刹に、テレビカメラが入るのは初めのことです。雲水たちが厳しい戒律を守り、修行を重ねる禅道場では、座禅はもちろん、食事の支度や作法も大切な修行。典座寮(台所)では、今も竈(かまど)が使われています。方丈で、直木賞作家としては先輩の有馬家16代当主・頼義(よりちか)氏の位牌と対面した五木さん。降りしきる雪の中、托鉢から戻る雲水たちの凛とした姿に感じ入ります。

「人吉別院」(熊本県)

本願寺人吉別院(熊本県)は、球磨川北岸の町中にあります。室町時代後半から360年余り、この地を治める人吉藩主は一向宗を禁じました。しかし信者は「隠れ門徒」となり、殉教者さえ出しながらも信仰を護り続けたのです。五木さんはその足跡を辿り、「かくれ念仏の里」に伝わる彼らの物語を知って欲しいと切に願います。明治に入り禁制が解かれ後に建てられた本堂には、隠れ門徒を労わるような柔和な表情の親鸞聖人「真(ま)向(むき)の御影」が掲げられています。