五木寛之の百寺巡礼

五木寛之の百寺巡礼

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放送内容

「法然院」(京都)

「哲学の道」から東へ坂を上った木立にひっそりと建つ法然院(京都府)。こけむすかやぶき屋根の山門をくぐり白砂壇を過ぎれば、心身が清められるといいます。本堂には、法然上人自ら安置したとされる阿弥陀如来像。須弥壇上に並ぶ二十五輪の生花は、人々の極楽往生を守護する二十五の菩薩を表します。本堂向かいの岩室には、寺を建立した忍澂と等身大の地蔵菩薩像。墓地には五木さんとも親交のあった稲垣足穂、谷崎潤一郎など多くの文化人が眠っています。

「石塔寺」(滋賀)

石塔寺(滋賀県)は、聖徳太子創建とされる四十八カ寺のうち最後の寺。裏山には無数の石塔石仏群があり、その中心に日本最大最古の石塔が立っています。この塔はインドの阿育王(アショカ王)が仏教を広めようと世界中にまいたうちの一つと伝わり、この伝説にちなんで阿育王塔と呼ばれます。朝鮮半島からの渡来人が多く住んだこの地で、先祖供養や自らの功徳のために人々が寺に奉納した小さな石塔の、意外な重さと温かさに五木さんは驚きました。