ザ・インタビュー ~トップランナーの肖像~

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6月26日(日) ゲスト:辻仁成 (作家・ミュージシャン・映画監督)

作家・ミュージシャン・映画監督、辻仁成。
1985年にロックバンド「ECHOES」のボーカルとしてデビュー。1989年に発表された「ZOO」は、2000年にもリバイバルヒットを果たし、最大のヒット曲となった。1991年にバンドを解散すると、かねてより地道に続けていた執筆活動に専念する。
1997年、辻に大きな転機が訪れる。ミュージシャンだった辻が「海峡の光」で芥川賞を受賞したのだ。文学界に激震が走る中、芥川賞作家となった辻は、大胆にも「これからの文学を守っていく」ことを会見で表明した。
またこの年に連載を開始し、江國香織とともに書き上げた「冷静と情熱のあいだ」は、累計350万部の大ヒットを記録し、名実ともに人気作家の一員となった。しかしそこに安住することなく、1999年には映画監督にも挑戦。意欲作の「千年旅人」は、ベネチア国際映画祭でも上映された。以来、小説・音楽・映像とジャンルに縛られることなく、活動を展開してきた辻。次々と話題の作品を生み出してきた秘訣(ひけつ)は一体何だったのか?
2014年、辻に第二の転機が訪れる。女優・中山美穂と離婚した辻は息子の親権を獲得、シングルファーザーとして自分の手で子どもを育てることを決意する。それ以来、家事・育児をこなしながら自らの仕事も並行するという多忙な日々を送ってきた。しかしその中でも、毎日「息子に手料理を食べさせること」は何よりの愛情表現だと考え、料理を続けてきた。料理の腕前が周囲に広まるきっかけとなったのは、何気なくツイッターに投稿したお弁当の写真。息子のために作った愛情弁当は、主婦層を中心にたちまち話題に。その反響の大きさに、辻自身も驚きを隠せなかったという。多くの主婦から家事についてのアドバイスや励ましをもらい、これまで辻は不安を乗り越えてきた。そして今年4月、ついにレシピ本を出版するまでに。掲載されている料理はどれもプロ顔負けの出来栄えだ。愛情たっぷりに料理を作り続けること、そこには独自の子育て論が詰まっていた。
現在12歳になる息子は、そんな辻の愛情を受け、もはや“子ども”としてではなく“パートナー”として辻を支える存在に成長しているという。そしてそんな息子からのある一言が、辻を悲しみから救うことになったという。その言葉が今回、辻本人の口から語られる。
インタビュアーはタレント、エッセイストの小島慶子。同世代の子どもを持つ親として、辻の生きざまは小島の目にどのように映るのか?