ザ・インタビュー ~トップランナーの肖像~
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1月23日(土) ゲスト:ささきいさお(歌手・声優・俳優)
歌手・声優・俳優、ささきいさお。"元祖アニメソングの大王"との異名を取るささきは、「宇宙戦艦ヤマト」や「銀河鉄道999」の主題歌を筆頭に、これまで数々のテレビアニメソングを歌ってきた。
1942年、3人兄弟の末っ子として生まれる。小・中・高校と都内でも指折りの進学校、暁星学園に在学。意外なことに、当時のささきは、音楽に興味がないどころか、むしろ嫌いだったという。
そんなささきに、転機が訪れる。高校生の時、オーディオブームに乗り、自らアンプやスピーカーを作り、それを鳴らすために仕方なくレコードを購入した。そのレコードが、当時はやっていたプレスリーの「I need your love tonight」だった。この曲を覚えたことが、歌手への道に進むきっかけになったと語る。
その後18歳で、"和製プレスリー"としてデビュー。同時に大島渚監督の映画「太陽の墓場」で主役に大抜てきされる。松竹と専属契約を交わすなど、飛ぶ鳥を落とす勢いで突き進むも、長くは続かず、不遇の時代に。そんな時舞い込んできたのが、アニメ「科学忍者隊ガッチャマン」の声優の仕事だった。当時は今のように"アニメ"という言葉ではなく、"まんが"と呼ばれていた時代。食べていくため、仕方なく受けたこの仕事がきっかけとなり、「宇宙戦艦ヤマト」の仕事が舞い込んできた。「宇宙戦艦ヤマト」の主題歌に秘められた、知られざる舞台裏とは? また、「銀河鉄道999」の歌に込められた、ささきの人生最大の苦しみとは?
さらに、あの石原裕次郎からのオファーを断った逸話など、55年間芸能界を生き抜いてきたささきの「裸の履歴書」に、編集者・舘野晴彦が迫る。インタビューの場所は、ささきの千葉の自宅にある、自慢のシアタールーム。リラックスした雰囲気の中、"アニソン大王"は何を語るのか?
1月24日(日) ゲスト:岩井希久子(絵画保存修復家)
ゴッホ、ピカソ、ルノワール、ゴーギャン、フェルメール…、"人類の宝"といっても過言ではない数々の美術品の修復を手掛けてきた、絵画保存修復家・岩井希久子。
インタビューが行われたのは、新宿の高層ビルの頂にある、東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館。ここには、ゴッホの代表作「ひまわり」(1888年)が展示されている。この作品の修復を手掛けたのが、岩井希久子だった。岩井が目指したのは、ゴッホが大切にした"ひまわりの黄色"を、作画当時のものに戻すこと。さまざまな技法や道具を使い、惜しみなく時間を使ったその修復の全貌とは? 「ひまわり」の美しさの裏に隠された岩井の苦労…、表からは決してわからないその真実を、過去に岩井を取材したことがあるインタビュアーの吉永みち子があぶり出していく。
さらに、周囲から「出来るはずがない」と言われた、山下清の貼り絵の修復についても、赤裸々に語る。一つ間違えば作品の命を絶ってしまうかもしれない、危険と隣り合わせの作業に挑んだ時間は、何と1年間。修復家の技とプライドが、絵画の美しさを後世につないでいる。
日本では、ほとんどの人がその存在すら知らない絵画保存修復家。そもそも、岩井はなぜその道を選び、匠と呼ばれるまでになったのか? これまで岩井が歩んできた人生とは? また今回、普段は絶対に見ることができない、修復現場を取材。なぜ、世界中から岩井に依頼が殺到するのか? その理由が明らかになる!