昭和偉人伝

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川上哲治

今回の放送は2時間スペシャル、2人の偉人を取り上げます。 第1部で登場するのはプロ野球界にとどまらず、スポーツ界最高の指導者とさえ言われる川上哲治さん。読売巨人軍の現役時代は赤バット愛用で人気を博し「打撃の神様」とまで言われ、 やがて監督時代には驚異の9連覇に導いた伝説的監督です。 この「V9」の偉業は今後のプロ野球界で、「おそらくだれも実現できないだろう」とさえいわれています。監督川上とはどんな人間だったのでしょうか? そして偉業「V9」をもたらしたものはいったい何だったのでしょうか? そこにはグラウンド内外を問わず徹底した勝つための思索がちりばめられていました。 かつて「鉄の(哲の)カーテン」とまで呼ばれたマスコミシャットアウト、世界のホームラン王・王貞治にまで命じたバント、選手の奥さんたちへ密かに送った励ましの手紙、キャンプ中の宿泊地で施す部屋割り術、反発する選手を巧みに誘導する言動、・・・これらにはすべて勝つためにはチームプレーを磨きつつ人としての心の教育を行うという思いが隠されていました。 今回元NHKアナウンサー羽佐間正雄さんが独自で録音取材を行ってきた生前の"川上語録"を初公開。そこには指導者の真髄ともいえる貴重なメッセージが残されていました。 さらにV9時代を支えたホームラン王・王貞治さんと名手黒江透修さん、かつて打者川上と名対決を演じた魔球の杉下茂さんらが貴重なエピソードを明かし、日本野球発展に大きく貢献した名指導者・川上哲治の知られざる姿と功績に迫ります。


辻静雄

2013年12月4日。ユネスコ無形文化遺産に、和食が登録されました。 世界でも高い評価を得ている、日本の食文化。その礎を築いたのが、食の巨大教育機関、辻調理師専門学校の創設者、辻静雄でした。 新聞記者から、突如として調理師学校の副校長となった静雄は、フランス全土の レストランをその足で食べ歩くことで、本場のフランス料理の味を学びます。 戦争によって、食材や調理技術の交流が絶たれてしまった、日本の料理人の多くは、 本場の味を再現することができなかったからです。 本物のフランス料理を、学生たちに教えたい。静雄は日本の料理界の常識を覆す、 独自のやり方で辻調理師学校を急成長させ、日本にフランス料理を普及させていきます。 本場の食材を使った授業、三ッ星シェフの招聘、大人気料理番組「料理天国」の監修。 静雄の教育改革は、やがて日本に史上空前のグルメブームをもたらします。 番組では、静雄の授業風景を記録した貴重な映像や、長男であり現校長:辻芳樹氏らの証言を基に、病に冒されながらも、その人生を「食」に捧げた男の、飽くなき探求心の原点に迫ります。