はじめてのクラシック2012

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プロフィール

クロード・ドビュッシー「小組曲」

C.ドビュッシーの「小組曲」は、もともと4手のピアノ(※1)のために書かれた曲。作曲は1886年から1889年、ドビュッシー24~27歳の作品だ。1889年の一大イベントといえば、「パリ万国博覧会」。若きドビュッシーも万博に足を運び、インドネシアのガムラン音楽に大きな影響を受けたという。規則正しい音の連なりが独特の陶酔感を生むガムラン音楽は、西洋音楽と何から何まで違う。ドビュッシーもさぞ大きな衝撃を受けたことだろう。
「小組曲」は「小舟にて」「行列」「メヌエット」「バレエ」の4曲で構成されている。ベートーベンからブラームス、シューマンへとつながるドイツ的な音楽との決別を前提として書かれているが、ドビュッシーらしい響きの妙味、型にはまらない幻惑的な部分は、あまり見られない。
「小組曲」には、同時代のさまざまな人や文化から受けた影響と、“自分が作るべき音楽”の発見、フランスを代表する作曲家への成長過程を垣間見ることができる。その意味で、貴重な作品といえよう。

※1 「小組曲」の場合、1台のピアノを2人で演奏すること

ポール・デュカス 交響詩「魔法使いの弟子」

デュカスはこの交響詩(※2)「魔法使いの弟子」1曲によって音楽史に名を残した、と言っても過言ではない。完璧主義者の彼は納得のいくものしか世に残したくなかったようで、70歳の生涯でたった15曲しか現存していない。
「魔法使いの弟子」は、ドイツの文豪ゲーテの詩をもとにしたユニークな曲。魔法使いの弟子が、師匠に頼まれた水くみの仕事をさぼろうと、ほうきに魔法をかけて自分の代わりにやらせようとする。しかし魔法の解き方を知らなかったために、ほうきは水をくみ続け、辺りを水びたしにしてしまう。困った弟子はほうきを真っ二つに折るが、なんと割れたほうきがそれぞれ動き出す! 余計に水をくむスピードが上がり、部屋は大洪水…と、そこに師匠が帰ってきて騒動はおさまるが、弟子はこっぴどくしかられる、というストーリーが展開される。ディズニー映画「ファンタジア」(1940年)、「ファンタジア2000」(2000年)で、魔法使いに扮したキャラクターの姿はあまりに有名。

※2 文学性や絵画性のあるテーマを持った管弦楽曲のこと。ベルリオーズ「幻想交響曲」やリスト「前奏曲」などが有名。

モーリス・ラベル 「ボレロ」

ラベルの代表曲「ボレロ」(※3)はもともとはバレエのために書き下ろされた曲。流麗に進み、いかにも聴きやすいものだが、演奏する側にとっては一種独特の緊張を強いるという。曲の構成はきわめて単純。小太鼓の規則的なリズム(※4)から静かに始まり、管楽器が次々と乗っていく。やがて弦楽器が足され、厚みと強さが加わる。気がつけばオーケストラ全体での壮大な演奏となり、これ以上ないところまでテンションが高まったところで、風船が破裂するように唐突に終わる。
この曲に登場する音楽記号はたったひとつ、「クレッシェンド(<)」のみ。指揮者にとっても「ボレロ」はとてつもない難曲だ。演奏する側の緊張と興奮が伝わり、聴衆も演奏に参加している気持ちになることで「陶酔」に似た感覚を生み出すのかもしれない。そこまで計算していたのであれば、ラベルは恐るべき作曲である。
なお、この曲には、普段オーケストラで使用されない「サキソフォーン(サックス)」が登場する。ソプラニーノ・ソプラノ・テナーの3本を2人で吹き分ける。他の楽器も含め、主旋律を奏でているのがどの楽器か、次はどの楽器が来るのかを予想しながら聴くのも一興。

※3 「ボレロ」の名称は、踊り子が着ていた丈の短いジャケットのこと。闘牛士の衣装としても知られるが、バレエの影響もあって1930年代のヨーロッパで大流行したという。

※4 2小節間のボレロのリズムは、最後の2小節のコーダまで169回も繰り返される。

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