中国神秘紀行
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美しき大草原 モンゴル族を訪ねて ~河北省~
今回は中国の北部、河北省を旅する。首都北京から北東へおよそ400キロ。そこには清王朝時代の皇帝たちが憧れた美しい高原がある。350平方キロメートルという広大な面積を持つ壩上草原(ばじょうそうげん)だ。モンゴル大草原の一端を成すこの草原は、毎年、夏の観光シーズンを迎えると、およそ4万人の人々が訪れる。この人々の心を惹き付けてやまない壩上草原の魅力に迫っていく。
標高1000~2400メートルに渡る壩上草原は、夏になると高原植物の花々が咲き乱れ、いっそう美しさを放つ。元来、この地は「元」の国を築いたモンゴル族の人々が暮らしていたところ。騎馬民族として名をはせ、広大なアジアを支配したモンゴル族にとって馬は欠かせないものだ。
ここで、馬の調教を行うモンゴル族の人々に出会う。元の時代から引き継がれた調教の方法があるそうだ。それは、騎馬民族として多くの戦いを治めてきた彼ら独自のものだという。一体どんな調教なのか教えてもらう。
さて、この壩上草原で育てられた馬の素晴らしさと草原の美しさに魅了された皇帝がいたという。清王朝の康煕帝(こうきてい)だ。清王朝は様々な少数民族と融和し、政治の安定をはかるため、各民族の文化を尊重し合い友好関係を保てるよう懐柔政策をとっていた。そして、この壩上草原ではモンゴル族との友好関係を深めるため、あるイベントを88回も行ったという。そのイベントとはどんな内容だったのか尋ねてみる。
さらに、夏の壩上草原は若草がおい茂り、家畜の放牧が盛んに行われている。牛や羊や馬の数はおよそ10万頭にもなり、モンゴル族の人々は夏になると家畜を引き連れて放牧しながら""パオ""というテントで暮らしている。草原でモンゴル族の一家と出会い、この草原でどやって生活してゆくのか、彼らの生きる知恵を紹介しながら草原の暮らしを見つめてゆく。
初回放送:2009年9月10日