文化遺産の旅
  • トップページ
  • バックナンバー
  • contents3
  • contents4

バックナンバー

兵庫県・加西市編



今回の訪問地は、兵庫県。旧播磨国・播州平野に栄えた、加西市の文化を紹介する。

旅の始まりは、北条町駅前から。土地の人々が「北条の宿」と呼ぶ古い町並みが続いている。中でも由緒あるのは、水田家住宅。国の有形文化財にも指定されている古民家だ。

声の旅人・寺田農は、続いて住吉神社を訪れた。拝殿・本殿は、江戸時代の建築。施された彫刻に、幕末の特徴がよく現れている。

加西市には、多彩な市民文化も息づいていた。子供たちの歴史ガイド隊、ひょうたん作りの会、無人駅を使った英会話教室など、様々な人々と出会う。一期一会の触れ合いも、旅の醍醐味だ。

旅の後半は、一乗寺へ。三重塔や妙見堂など、歴史ある文化財を味わいながら巡る。声の旅人の目をひいたのは、石造五輪塔。加西には、古くから石の文化が築かれていたという。理由は、市域の地質にあった。笠松山は石の産地。良質の石材が採れるため、石刻・石彫の仏像や塔が多いのだと言われている。

声の旅人は、推論を確かめるために、古法華自然公園に向かった。待っていたのは、古法華寺の石彫如来像だ。一度は奈良の博物館に移されながらも、地元の要望で元の寺に戻されたという。ここにもまた、郷土を愛する人たちの努力と成果がある。兵庫県加西の文化は、市民の心に深く浸透していた。